小学校での相談の中で、
- 「漢字の書き間違いが多く、テストでも点数が取れない」
- 「音読で読み飛ばしがあり、音読の宿題をやりたがらない」
- 「手先が不器用で、字や絵を書く時にバランスが悪い」
こんなお話を聞く機会がよくあります。
最近はネットや本などでさまざまな情報が集めやすい環境でもあるので、
「うちの子ってLDですか?」
と質問されることも少なくありません。
私はスクールカウンセラーなので、医師のようにLDかどうかを診断することはできません。
しかし、子どもの状態によってご家庭でもできる取り組みについてアドバイスできることもあります。
そこで今回は読み書きが難しい子どもに隠されているかもしれない、「見え方」の悩みについてお話していきます。
Contents
子どもの見え方の悩みにはどんなものがあるの?
読み書きが苦手、手先が不器用、何度練習しても漢字を書き間違える。
こんな子どもの姿を見たときに、よく言われるのは
- 「怠けているからできないんじゃないのか」
- 「努力していないから覚えられない」
このような言葉がとても多いです。
最近では、LDなどの知識も広まってきたので少し減ってはきましたが、それでもこのような言葉が出てくることはまだあります。
あまりにも文章を読み間違えたり、黒板の文字を書き写せなかったりする姿を見て、
「もしかしたら視力に問題があるのでは?」
と考えて眼科を受診されるケースもありました。
中には、本当に視力が悪くて読み間違いなどが多かったパターンもありましたが、ほとんど視力には問題のないことが多いです。
その後、視力には問題のなかった子どもが専門医に相談したところ、視覚機能に課題があるといったケースが少なくなかったです。

では、視覚機能に課題があるのかどうか気づくポイントはあるのでしょうか。
視覚機能の課題に気づくポイントは?
視覚機能と言われても、実際にはどんなものかイメージしにくいかもしれません。
視力は単純に目で見る力を測ることができますが、実際に目で見た情報を正しく理解できているかを測ることはできません。
目で情報を得るためには両目を上手に使い、眼球を適切に動かす力が必要です。
そうして得た情報を理解するためには、視覚認知の力も必要になります。
こうしたさまざまな力を合わせて視覚機能というものになります。
眼で見たものを理解し適切な行動をとるためのいろいろなはたらき

視覚機能に課題があるのではと気づくポイントとしては、
- 積み木やボール遊びが苦手
- 箸がうまく使えず、食べこぼしが多い
- 人や物によくぶつかる など
- マス目を大きくはみ出して文字を書く
- 漢字がなかなか覚えられない
- 音読の読み飛ばしが多い など
こうした場面を見て、違和感を覚えるママが今までに多かったです。

では、視覚機能に課題があるのではと感じた時にどこに相談に行けばいいのでしょうか。
視覚機能の相談はどこに行けばいいの?
子どもの見え方をきちんと把握するためには、
- 眼科検査
- 視覚検査
- 心理検査
この3つの検査を受けるとより子どもの実態がわかりやすくなります。
①眼科検査
この検査は一般的な眼科で行われるものです。
視力の状態や斜視・目の病気の有無を検査することにより、目に器質的な問題がないかを確認します。
②視覚検査
この検査は視覚機能の専門医がいる病院で行われるものです。
眼球運動の状態や視空間認知の力、目と体の協応などを検査することにより、視覚機能の状態を確認します。
③心理検査
この検査は心理士によって行われるものです。
認知や知能のバランスや聴覚や視覚の能力などを検査することにより、子どもの全体的な発達のバランスを確認します。

上記のような検査は、
- 療育センター
- 発達外来
などで受けることができます。
地域によって差があるので、最寄りの子育て相談窓口やスクールカウンセラーなどに情報を確認してみるのもおすすめです。
視覚機能を高めるために家庭でできること
視覚機能に課題が見つかった時に、よく提案されるのが
ビジョントレーニング
と呼ばれる視覚機能を高めるためのトレーニングです。
特別な器具を用いてトレーニングをする必要があるわけではなく、家庭にあるもので遊びの一環として始められるのがビジョントレーニングの良さでもあります。
- なるべく頭を動かさないで目だけで物を追うようにしてみる
- ブロックで見本通りに作ってみる
- 動くおもちゃをキャッチする
- 点つなぎや文字表から単語探しをしてみる
こんなことがビジョントレーニングとして行われます。
ビジョントレーニングは継続して行うことが大事なので、子どもが嫌がらずに続けられているかを意識していただくのがいいと思います。
子ども自身が楽しく長く続けられるものかどうかを考える!
この本でビジョントレーニングについて詳しく解説しているので、気になる方がいたら参考にしてみてください。
こうしたワークブックを使いながらトレーニングを積み重ねていくことで、視覚機能を高めていくことにつながります。
おわりに
今回は読み書きが苦手な子に隠されているかもしれない見る力のお悩みについてお話していきました。
普段の相談の中でも、読み書きの相談で視覚検査を勧めることがあります。
眼球運動がうまくいかない子や目と手の協応がうまくいかない子、視覚認知に課題がある子などさまざまなパターンがありました。
読み書きが苦手で視覚機能に課題があると言っても、上記のようにさまざまなパターンがありそれぞれの子どもに合った対応の仕方も異なります。
心理検査だと敷居が高くて受けたくないというご家庭も、視覚機能の検査なら受けてもいいという判断をするケースもよくありました。
視覚機能を診てくれる専門医はとても少ないので、もしかしたらお住まいの自治体にはないかもしれません。
そんな時にはこの記事に載せた本なども参考にしていただくのもいいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。








