子どもの状態についての相談のときに、「こういう時って病院に行ったほうがいいですか?」という質問をされることがよくあります。

児童精神科の病院を受診しようかと考えても、

  • そもそも何をしてくれる場所なの?どんな
  • 子が受診するの?
  • 診察では何を見られるの?
  • 受診の前に何を準備すればいいの?

こうした疑問から、受診を迷うご家庭も多いと感じています。

そこで今回は、 子どもの困ったに対して児童精神科の病院を受診される際のポイントについてお話ししていきます。

そもそも児童精神科ってどんなところ?

発達に関する困りごと、情緒面の不安、不登校、友人関係のトラブル、日常生活のしづらさなどを抱える子どもたちに対して、専門的に診療を行うのが児童精神科の病院です。

児童精神科は「病気かどうかを判断する場所」というより、子どもの特性と状態を理解し、支援の方向性を見つける場所と理解するのが正しい位置づけです。

診断そのものよりも「今後どう支援していくか」が中心となる点が大人の精神科と大きく違う部分ではないでしょうか。

Q.大人の精神科と何が違う?

児童精神科は、子どもの発達段階を踏まえて診療を行う精神科の専門領域です。大人と比べると、子どものこころの問題は「発達」「環境」「家族関係」「学校生活」など、多面的な要因が相互作用することで生じる点が特徴的です。

  • 症状の表れ方が異なる

大人と違い子どもは、落ち込む代わりに「頭痛」「腹痛」「イライラ」「乱暴な行動」など身体症状や行動に出ることが多いです。

  • 発達障害との関連が大きい

ADHD、ASD(自閉スペクトラム症)、学習障害(LD)など発達特性が密接に関係します。

  • 家族・学校・地域の支援が不可欠

子ども自身だけの問題として扱えず、環境調整を行う必要があります。

  • 診療に時間を要する

生育歴の聞き取りや学校や保育機関との連携、心理検査など多角的な評価が診断には必要です。

児童精神科で扱う主な症状ってどんなもの?

児童精神科で扱う主な症状
  • 発達障害 (ASD・ADHD・SLDなど)
  • 不安障害 (分離不安・社交不安など)
  • 強迫性障害 (手洗い不安など)
  • 適応障害
  • PTSD
  • 起立性調節障害
  • ストレスによる体調不良 (腹痛・頭痛など)
  • 不登校・登校しぶり
  • ゲーム・ネット依存
  • 自傷行為
  • 摂食障害

こうしたさまざまな症状を児童精神科の病院では扱っています。

病院ごとに専門としている分野が違うため、自分の子どもに合った症状を診てくれる病院を探すことが大切です。

 

児童精神科の受診までの流れってどんな感じ?

① 初診予約

児童精神科は多くの地域で受診希望者が増えており、予約待ちが長い傾向があります。

私が勤務している地域の病院では、数ヶ月~1年待ちというケースも珍しくありません。

お住まいの地域にどんな病院があるかわからない場合には、自治体の相談機関(発達相談・子育て相談)やスクールカウンセラーなどに相談してみてください。

その後、受診を考えた病院に親から直接予約の連絡をする必要があります。

その際に、病院によってはかかりつけ等の小児科からの紹介状が必要な場所もあるので、その点もご確認していただいた方がいいかもしれません。

② 初診(問診・ヒアリング)

初診では、

  • 現在の症状・困りごと
  • 生育歴
  • 家庭環境・学校環境
  • 過去の病気や治療歴
  • 行動の特徴

こうした子ども自身の話だけでなく、保護者からの情報が受診の際にとても役立ちます。

③ 評価(心理検査など)

医師の診断だけでは把握しきれない部分を補い、子どもの特徴を立体的に理解するために必要に応じて、

  • 発達検査(WISCなど)
  • 行動評価尺度
  • 自己記入式質問紙
  • 認知機能検査

こうした検査を活用します。

④ 診断・説明

検査結果と問診を総合的に判断し、医師が診断を行います。

診断名がつく場合もあれば、診断名はつけず、状態像として説明する場合、経過観察になる場合もあります。

診断は問題解決のための“スタート地点”であり、ラベリングを目的としたものではありません。

⑤ 支援計画・治療方針

治療方針は子どもによって大きく異なります。

  • 薬物療法(必要な場合のみ)
  • 心理療法・カウンセリング
  • 親ガイダンス(保護者への助言)
  • 学校との連携(環境調整)
  • 自治体や福祉サービスの利用案内

子どもの状態に応じて、その時必要な支援を実施していきます。

診察で「伝えると役に立つ」情報テンプレート

① 相談の目的(主訴)

  • 今困っていること(1~3つまで)

例)集団行動が難しい/忘れ物が多い/癇癪が増えた など

  • 医療に期待していること

例)原因の把握、特性の理解、学校との連携支援、薬の必要性を知りたい など

② これまでの経過(時系列)

  • 問題が見え始めた時期:
  • その頃の具体的な様子:
  • 最近1~3ヶ月の変化:

 

③ 生活の様子(家庭)

  • 行動・生活リズム
  • 睡眠(入眠・中途覚醒・寝起きの状態)
  • 食事(偏食/感覚過敏/過食・少食)
  • 生活習慣の安定度
  • 癇癪:頻度/持続時間/きっかけ
  • 不安・こだわり:どの場面で出るか
  • ものを壊す/暴言/過活動 などの有無
  • 切り替えが難しい場面と理由

 

④ 園・学校での様子

  • 先生から言われたこと(具体的に)
  • 友人関係:トラブル・孤立・過干渉など
  • 授業中の様子:集中・離席・課題拒否
  • 宿題や提出物の状況行
  • 動観察で気になる点(保護者が把握している範囲で)

※必要に応じて学校で使っているノートやテスト、図工の作品なども持っていくといいかもしれません。

 

⑤ 発達の情報(生育歴)

  • 出生時:妊娠・出産での問題の有無
  • 乳幼児期の発達:寝返り/歩行/言葉(初語・二語文)/目が合う/指差しの有無・遊び方(ごっこ遊び/一人遊び)
  • 感覚特性:音/光/触覚/食感の過敏・鈍麻
  • こだわり:どのようなパターンか

※母子手帳も持っていくと、その場で確認しやすくなります。

 

⑥ 得意なこと・苦手なこと

  • 得意(強み)

例)興味対象への集中力/数字・地図への強さ/絵・ブロックが得意

  • 苦手(弱み)

例)曖昧な指示への対応/集団行動/過度に感情的になる場面 など

 

⑦ 家庭・環境の背景

  • 家族構成
  • 家族内に似た傾向の人がいるか
  • 転校/離婚/引っ越しなどの環境変化の有無
  • 生活負担や家庭内ストレスの状況

 

⑧ 過去の受診歴・支援歴

  • 小児科・発達相談の利用歴
  • 心理検査の有無(WISCなど)
  • 療育や支援サービスの利用状況
  • 薬の服用歴(あれば)

 

⑨ 直近2週間の具体的な観察ログ

  • 1週間の平均的な困りごとの頻度
  • トラブルがあった場面(日時・状況・本人の反応)
  • うまくいった場面(成功体験)

※起立性調節障害やゲーム・ネット依存の受診等で役立ちます。

 

⑩ 今日の診察で聞きたいこと(3つまで)

こうした情報を事前にまとめておくことで、初診がスムーズに進んでいきます。

 

児童精神科の利用を考えるサイン

児童精神科の受診方法はわかったけど、実際どういった状況になったら受診すればいいの?

こうした声も相談の中ではよく聞きます。

受診のきっかけになるサイン
  • 行動や感情の急激な変化
  • 落ち込みが続く
  • 怒りっぽい・暴力的になる
  • 不登校・遅刻が続く
  • 宿題や提出物に極端に取り組めない
  • 集団行動が難しい
  • 頭痛・腹痛を頻繁に訴える
  • 朝起きられない
  • 医療機関では異常が見つからないのに症状が続く
  • 友達とのトラブルが絶えない
  • 言葉の遅れ
  • 注意散漫・落ち着きのなさ

子どもにこうしたサインが見られたら、症状が軽い段階でも相談することで、早期に支援につながるケースが多くあります。

児童精神科の治療や支援にはどのようなものがあるの?

児童精神科の治療・支援
  • 薬物療法
  • 心理療法
  • 環境調整

薬物療法

薬を飲ませることへの抵抗感を持たれることは自然なことではありますが、不安、うつ、ADHDの症状などに対して必要に応じて薬を使用します。

子どもへの薬の使用は、効果と副作用を丁寧に評価しながら慎重に進めます。

薬の処方に納得がいかない場合は、診察の中で十分に薬の必要性などを話し合っていただくといいと思います。

心理療法

  • 認知行動療法(CBT)
  • 遊戯療法(プレイセラピー)
  • 家族療法
  • 対人関係療法       など

こうしたさまざまな心理療法を子どもの発達段階に合わせて行います。

心理療法を進めていく中で、最終的には感情の整理や行動の改善を目指します。

環境調整

どんなに薬物療法と心理療法で改善を図ろうとしても、実際に子どもが生活している環境が何も変わっていなかったら効果は薄くなってしまいます。

なので、学校や家庭など子どもが普段生活している環境を整えていくことが必要不可欠です。

学校での環境調整
  • 教室の後ろの席にする
  • 音や光への配慮
  • 個別の休憩スペース
  • 学習内容の調整
家庭での環境調整
  • タイムスケジュールを表で掲示
  • クールダウンのスペースの確保
  • 課題をやるときには刺激を減らす

こうした子どもの特性に合わせた環境調整をしていくことで、子どもが安心して過ごせる環境が整います。

おわりに

今回は、子どもの困ったに対して病院を受診される際のポイントについてお話ししていきました。

相談の中でもお伝えしているのですが、「診断=ゴール」というわけではないということを理解していただいた上で病院を受診されることが大切です。

診断を受けることを病院の受診の目的とするのではなく、子どもの成長のためにどう支援につなげていけばいいのかのヒントをもらいに行く場だと思っていただければ幸いです。

今回も読んでいただきありがとうございました。

 

※この記事には一部生成AIの文章が使われています。