早いものでもう12月となりました。
あっという間の1年だったと感じるご家庭も多いのではないでしょうか。
この時期、相談で増える傾向にあるのは不登校の受験生についてのお悩みです。
- そのうち自分で考えるだろうと思っていたが、まったく何もしようとしない
- 本人と話ができないので、どうしていきたいのかがわからない
- やりたいことがあるようだが、どこの学校がいいのかわからず悩む
こんな声を相談の中ではよく聞きます。
子どもが自分で居場所を見つけてほしい…
そう思って見守ってきたが、年末が近づいてきても状況が変わらない時にこうした相談に至ることがほとんどです。
そこで今回は、不登校の受験生が冬休み中にやっておくといいことについてお話ししていきます。
そもそも子ども自身に進学の意思はあるの?
私が相談に来てくれたママにまず確認することは、
「本人からは高校進学をしたいという希望はありましたか?」
ということです。
この質問に対して
「たぶん行きたいと思っているはずです」
という答えが返ってくることが時折あります。
一般的には中学校卒業後は高校に進学するパターンがほとんどです。
だからといって本当に子ども自身が高校進学をしたいと考えているかは、実際に確認してみないとわかりません。
なので、まずは子ども自身に進学希望の有無を確認することが、不登校の受験生に対して必要な支援の第一歩です。

どんな風に子どもと進路について話をしたらいいの?
子どもが引きこもってしまい会話もままならないというご家庭も中にはあるかと思います。
普段まったく会話をしていないのに、進路についての話ができるかというと難しいのではないでしょうか。
なので、そのような状態の場合には、まず日常会話から始めることをおすすめします。
天気やTVの内容、最近の出来事などなんでもいいので気負わずに子どもに話しかけていくことが大切です。
最初のうちは挨拶だけでもいいので、子どもに話しかけるのに意識しすぎない状態を目指していただくといいと思います。

普段から普通に話ができている、という場合には上記の取り組みはしなくて大丈夫です。
しかし、普通に話ができていても進路の話になると途端に口が重くなってしまう子どもも少なくありません。
あまりに聞きすぎてしまうと、「わかってるよ!」などと言って喧嘩になってしまうこともあるかもしれません。
- 手紙やLINEなどを使って聞いてみる
- TVなどを見ている時に、少しずつ話してみる
- 話す日を設定して、その日に話そうと約束する など
これまでの相談の中で、上記のようなやり方で話を聞いてもらうことがありました。
子どもによって答えてくれる話題の出し方は違うので、さまざまな方法を試してみることがおすすめです。
最近では、子どもと一緒にゲームをやっている時に進路の情報を少しずつ伝えるようにしたところ、本人から自分の希望を話してくれるようになったというケースがありました。

進路という話題に直面するのが不安な子どもがとても多いので、何かをしながら話すという方が変に意識しすぎず話しやすいのかもしれません。
進路に向けて冬休みは何をしたらいいの?
子どもから高校進学の希望が出た時に、高校生活をどんな風に過ごしたいかによって冬休みの過ごし方も変わっていきます。
- 朝から普通に毎日通いたい
- 朝からは大変だから、午後に行けるところがいい
- 人に会うのに不安があるから、あまり登校しないで済むところがいい
このように、子どもによって希望はさまざまです。
なので、冬休み中は実際に高校生活を送るとなった時の生活のリズムを意識していただくことが大切です。
朝から通うことを想定していないのであれば、そこまで朝型の生活に固執しなくて大丈夫です。
自分にとって負担の少ない生活のスタイルに合う学校を選べれば、高校生活を意識した生活のリズムもそこまで無理難題ではないと思います。

生活のリズム以外では、
- 体力づくり
- 外出への抵抗感を減らす
といったことも意識していただくといいと思います。
この2つは、どんな高校を選んだとしてもある程度必要になってくるものなので、冬休み中から少しずつチャレンジしてほしいです。
特に外出への抵抗感は、不登校の子どものほとんどが持っているものでもあります。
人に会うのが怖い、知っている人に見られたくないなどの理由から外出が嫌になってしまうことが多いです。
回数はそこまで多くなくていいので、意外と外出しても大丈夫だったという体験があると安心です。
冬休みだとみんな休みなので外に行きやすい、ということもあるのでぜひ子どもを外出に誘ってみてください。

おわりに
今回は、不登校の受験生に対して冬休み中にできることについてお話ししていきました。
受験は締め切りなどもあるのでつい焦る気持ちが出てしまいます。
しかし、受験はみんなと同じ時期じゃないといけない、というわけでもありません。
もし今受験することが考えられなくても、子ども自身が「したい」と思った時に受験をするでも決して遅くはありません。
それでもなかなか動かない子どもの姿を見ていると不安に感じることもあるかと思います。
そうした時にはスクールカウンセラーなどに相談してみるのもおすすめです。
今回も読んでいただきありがとうございました。








