スクールカウンセラーとして相談を受ける中で時折、
- 子どもの発達のことで気になることがあるが、病院に連れて行った方がいいのか
- 子どもが何だか元気がないけど、どこに相談に行けばいいのか
- どういう状態だったら病院に連れて行った方がいいのか
のような話を聞くことがあります。
大人でもどの程度の状態で病院に行ったらいいのか、悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。
そこで、今回はどのようなタイミングの時に病院を受診した方がいいのか、という目安と病院の探し方についてお話ししていきます。

病院を受診するタイミングはどんな時?
ママ達が受診を悩むポイントは、
- 発達に関すること
- 子どものメンタルに関すること
の2点が多いのではないでしょうか。
それぞれの受診のタイミングを具体的にお話ししていきます。
①発達に関すること
普段のご家庭での生活の様子や学校からの情報で、違和感を覚えて心配になるというパターンが多いように感じます。
受診のタイミングとしては、
- 集団生活がうまくいかない
- 友達とのトラブルが頻繁に起こる
- 学習が思うように進まない
- 学校に行くのを嫌がる
こうした事象が出てきた時が考えられます。
集団生活がうまくいかない
学校の中だと、時間割でスケジュールが決まっていてみんなと同じタイミングで動くことが求められます。
保育園や幼稚園では何とかできていても、学校という環境の変化に加えてやることの多さに圧倒されて、みんなと同じペースで動くことが難しい子どもも時折います。
また、学校では運動会などの行事のタイミングで急な時間割の変更があり、そうした変化に混乱してしまうこともあるかもしれません。
そうした子どもの困っている姿を個人面談等のタイミングで、先生からお話しされたママも中にはいるのではないでしょうか。

友達とのトラブルが頻繁に起こる
学校生活の中では、
- 友達とケンカをして手が出てしまった
- 注意のつもりでキツイ言葉を言ってしまい、相手から反撃されてしまった
- 一緒に遊んでいて、つい楽しくなりすぎてしまいやりすぎてしまった
こうしたトラブルが付き物です。
しかし、これらのトラブルがあまりにも頻繁だと少し心配になるのではないでしょうか。
週に1回は必ず学校から連絡が来る、のような状態だと少し頻度が多いかもしれません。

学習が進まない
保育園や幼稚園と学校の違いは、やはり勉強の有無ではないでしょうか。
- 一生懸命勉強してもなかなか文字が覚えられない
- 計算をする時に指を使うのを止められない
- 自分の考えをまとめることが難しい
- 作文が苦手
こうした学習の難しさを抱えている子どもも少なくありません。
子ども自身が気にしていないようであれば、支援をすることは難しいかもしれませんが、自分の理解の仕方の癖みたいなものがわかると学習への抵抗感が少なくなることもあります。

学校に行きたがらない
上記のような子どもの困り感をそのままにしておくと、
「学校に行きたくない」
という気持ちになってしまう危険性が高くなります。
子ども自身が限界になる前に、些細な困り感を見逃さずに対処していくことも重要です。

②子どものメンタルに関すること
子どもの様子を見ていて、いつもと違うと感じたことがあるママもいるのではないでしょうか。
- 食欲が低下している
- 夜眠れなくなっていて、朝起きられない
- 表情が暗く元気がない
- 声をかけても反応が鈍い
- 外出を嫌がる
- ささいなことで泣くことが増えた
- 「死にたい」ともらすことがある
こうした姿が1週間続くとなったら非常に心配な状態です。
特に、食事と睡眠に関しては健康にもかかわる部分なので、その部分がいつもと違うと感じたら早めの受診をおすすめします。

では、実際の病院選びはどのようにすればいいのでしょうか。
病院の探し方はどうすればいいの?
上記の①と②のパターンで選ぶ病院に少し違いがあります。
- ①:療育センターなど発達の専門医がいる病院
- ②:精神科や心療内科などの心の専門家がいる病院
- ①・②両方:児童精神科のある病院
このような視点で病院を探していただくといいと思います。
自力で探すのが難しい…そんな時には
- かかりつけの病院
- スクールカウンセラー
- 地域の子育て相談窓口
- 地域の教育相談センター
などに相談していただくとお住いの地域の病院を案内してもらえます。
こうした病院の中には、紹介状が必要なところも多いので、予約の段階で紹介状がいるかどうかも確認しておくと安心です。

おわりに
今回は、病院の受診のタイミングと探し方についてお話ししていきました。
普段、相談の中でも「病院に行った方がいいのでしょうか」と聞かれることも少なくありません。
こちらからは、「行ってください」と断定してお伝えすることが難しいので、どうしても「心配なことがあるかもしれないので、相談に行ってみてもいいかもしれませんね」のような伝え方になってしまうことも多いです。
最終的な受診の判断はご家庭に委ねることになるので、少しでもその判断の手助けとなるような情報を伝えられるように心がけています。
もし、受診した方がいいのかやどんな病院に行けばいいのか悩んでいるママがいたら、お近くのスクールカウンセラーに相談してみるのも一つの手ではないでしょうか。
今回も読んでいただきありがとうございました。








