GW明けのこの時期、学校によっては運動会の練習がスタートするところも少なくないのではないでしょうか。
運動会が近づく時期になると、
- 運動会の練習に参加したくないから、学校に行きたくない
- いつもと違う雰囲気でなんだか落ち着かない
- そもそも運動会に出たくない
のような話をする子どもが増えてきます。
そこで、今回は子どもに運動会などの学校行事への不安が出た時の対処法についてお話ししていきます。
そもそも何で運動会が嫌なの?
子どもが運動会などの学校行事を嫌がる理由はさまざまです。
主な理由として考えられるのは、
- 運動会の練習などによって、授業の見通しが立たない
- 集団で行動をするのが苦手
- 大きな音や特定の音が苦手
のようなものが考えられます。
特に、発達障害などのような感覚過敏がある子どもは、普段と違う雰囲気や急な予定変更、大きな音などがある運動会の時期は苦手なことでいっぱいになります。

では、子どもが運動会の時期に不安になっていたらどのように対処すればいいのでしょうか。
子どもが運動会の不安を訴えた時の対処法
子ども達が運動会などの学校行事に不安を訴える理由はさまざまです。
そこで、今回は上記でお話しした理由への対処法をお話ししていきます。
見通しが立たないことの不安への対処法
運動会の時期は通常とは違う場所や時間割で、練習などが行われることがとても多くなってきます。
いつもと違う時間割、いつもと違う場所のような場面に遭遇することによって、“これから何が起きるのか”を予測できず、とても強い不安を感じてしまう子どもが少なくありません。
そうした事態にならないようにできることは、
- 授業変更はできる限り事前に伝えて、心の準備をさせる
- やることや時間帯、場所などを具体的に伝える
- 可能ならば、写真や動画・絵などでイメージがしやすいようにする
- 事前に対応できない時には、無理に参加させようとしない
のような対処の仕方が考えられます。
こういった絵カードを使って、見通しを持てるように支援するのも効果的です。
見通しを持てるように、子どもに合わせた支援をしていく!
苦手な集団行動への対処法
発達障害などの特性がある子どもの中には、集団で同じ行動をすることに負担感を覚える子も少なくありません。
ただでさえいつもと違う雰囲気の中、普段やらないような行動をさせられていっぱいいっぱいになっている状況で、みんなとペースを合わせて行動することはとても大変です。
中には、体の使い方が不器用でダンスのような動きをすることに苦痛を感じている子どももいます。
運動会では、学年ごとに音楽に合わせた演技をする機会があるため、そうした動きが子どもからすると非常に負担を感じやすい一因でもあります。
また、学年演技はただ踊れればいいというものでもなく、隊形移動が複雑で場所を覚えるだけでも一苦労です。
なので、子どもがどこの部分に不安を感じているかを具体的に把握して、可能な対処法を探っていく必要があります。
- ダンスが不器用⇒簡略した動きに置き換える
- 隊形移動が覚えられない⇒その子が起点となるような隊形移動を検討する
- 集団の中にいることが苦痛⇒離れたところで合図係などをやってみる
こうした対処法が考えられますが、学校によって実情が異なってくると思うので、心配なママは学校の先生に相談していただくと安心です。

大きな音や特定の音への対処法
発達障害に限らず、感覚が敏感な子どもからすると、運動会のような大きな音が絶えずあるような状況はとても苦痛です。
- 応援用の鳴り物グッズ
- みんなの応援する声
- 演技中の音楽
- 徒競走の際のピストル音
こうした音が、運動会の間は絶え間なく流れています。
これらの音に対処する方法としては、
- 耳栓やイヤーマフを使う
- ピストル音をホイッスルに変更する
- 大きな音を聞きすぎて疲れたら、静かな教室で休憩する
のようなものが考えられます。
子どもによっては、特定の場面で音が辛く感じるということもあるので、どういった時に辛いかということを確認しておくと、より具体的な支援ができます。

子どもそれぞれ不安に思うことは違うので、子どもの不安に寄り添った対処の仕方を一緒に考えてあげることが大切!
おわりに
今回は、運動会などの学校行事に不安を感じた時の対処法についてお話ししていきました。
運動会をメインにお話ししていきましたが、どの対処法もそれ以外の学校行事に応用できるものとなっています。
特に、高学年になると宿泊学習への不安が出てくるので、そうした時に見通しや集団行動の具体について考えられると、子どもからすると安心して参加しやすくなります。
スクールカウンセラーとして、運動会などの学校行事に不安を感じている子どもの相談をこれまで数多く受けてきました。
相談の中で重視してきたことは、子どもが無理なく参加できてやってよかった、と思えるラインを子どもやママ、先生と一緒に探っていくことです。
子どもの限界ラインまで頑張らせると、確かにできなくはないのですがとても負担が大きくなってしまい、結果的に子どもからすると嫌な思い出になってしまうことも少なくありません。
なので、子どもにとってちょっと頑張ってできた、というラインを見極めることがとても大事になってきます。
ご家庭だけでそうしたラインを見極めることは難しいかもしれないので、そうした時には先生やスクールカウンセラーに相談していただくと安心だと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。