スクールカウンセラーとしての相談の中で、時折
- 力加減が苦手なのか、よく物を壊してしまう
- 姿勢がすぐに崩れてしまう
- 手先が不器用で、図工の時間が苦痛になっている
このような話を聞くことがあります。
教室の様子を見て回っている時にも、こうした不器用な子どもの姿が時折見受けられます。
大人から見ると、「なんでこんな簡単なこともできないの?」と思われてしまうような不器用さがある子どもが、学校の中では少なくありません。
そこで今回は、身体の使い方が不器用な子どもに隠されているかもしれない発達性協調運動症についてお話ししていきます。
発達性協調運動症って何?
普段、身体の使い方を意識している人はあまりいないのではないでしょうか。
物を掴む、話しかけるために相手の肩をたたく、机に向かうために姿勢を保つ、こんな動作をするのにいちいち「えーっと、どう動かせばいいんだっけ?」とはなりません。
しかし、子ども達の中にはこうした動作を行うのに適切な力加減や身体の動かし方がわからない子がいます。
たとえば、ご飯を食べる時に片手は箸を使い、もう片方の手で茶碗を持ってご飯を食べるような別々の動作を一緒にやる場面を想像してみてください。
こうした別々の動作を一緒に行うことを協調運動と言うのですが、身体の使い方が不器用な子どもはその動作がうまくいきません。
つまり協調運動がうまくいかない状態の時に、発達性協調運動症という診断がされることがあります。

- 転んだ時に手をつけない
- 靴ひもを結べない
- よく体をあちこちにぶつける
- 力の加減ができず、よく物を壊す など
では、このような特徴が見られた時にどこに相談に行ったらいいのでしょうか。
発達性協調運動症はどこに相談に行ったらいいの?
子どもの不器用さが気になった時にどこに相談に行ったらいいのかわからずに悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
主な相談先としては、
- 地域の療育センター
- 発達の専門医がいる病院
- 地域の子育て相談窓口
- スクールカウンセラー
などが考えられます。

では、発達性協調運動症と診断された後は、どのような治療をすればいいのでしょうか。
発達性協調運動症の治療法は?
発達性協調運動症では、それぞれの子どもの運動課題や生活上の困り感に合わせて、療育プログラムを行っていきます。
療育プログラムでは、
といった療法を組み合わせます。
以前、このブログでもそれぞれの療法についてお話ししたものがあるので、そちらも併せて読んでみてください。
発達性協調運動症の子どもは、自分の身体は思うように動かないから運動したくない、という気持ちになりやすいです。
なので、療育では運動が楽しいと思える活動から始まります。
傍から見ていると遊んでいるだけのように思えるかもしれませんが、子どもの身体の感覚を養うために必要なものだと考えていただけるといいと思います。

家庭で取り入れられるもの
療育のような特別なものを使わずとも、家庭で何かできないかと考えるママもいるのではないでしょうか。
《体を大きく動かすもの》
《細かい作業をするもの》
《参考にできる本》
上記のようなものをご家庭では取り入れていただくのもおすすめです。
おわりに
今回は、発達性協調運動症についておはなししていきました。
一般的に広く知られている発達障害のように、発達性協調運動症はそこまで知られていません。
身体の使い方が不器用なだけと周囲が思っていても、子ども達からするとその不器用さで周囲とトラブルになったり自信を失ったりしてしまう原因にもなります。
こうした知識を知っているだけでも、「もしかしたら?」と気づくきっかけにもなるのではないでしょうか。
今回も読んでいただきありがとうございました。








