4月に入り、もうそろそろ入学式や始業式を迎えるご家庭も多いのではないでしょうか。
こうした春の季節は新生活へのワクワクとした期待と、ドキドキとした不安とが入り混じるとても心が揺れ動く時期でもあります。
そうした中で、
- 「自分の子どもが環境に馴染めずに不登校になってしまうのではないか」
- 「去年度まで不登校だったけど、新年度に学校に行けるようになるのか」
こうした不安を抱えたママからの相談もこの時期は少なくありません。
そこで今回は、新年度に向けて不登校にならないためにご家庭でできることについてお話ししていきたいと思います。
Contents
新年度の不登校につながる要因は?
新年度は、新しい環境でのスタートとなるのでドキドキしている子どもも多いのではないでしょうか。
こうした新年度のドキドキの中で、特に不登校の要因につながりやすいものは、
- 新しいクラスのメンバー・担任がどんな人か
- 今までの友達との関係性
- 自分自身の立ち位置をどうしていくか
- 学年に応じた学習課題の負担感
この4つがこれまで相談を受けていた中でも多かったように感じます。
①新しいクラスのメンバー
クラス替えや進学による新しい友達との出会いは、楽しみな面もありながらも不安が大きいものです。
大人でも、新しい職場での勤務となるととても緊張するのではないでしょうか。
- 「クラスの中に仲の良い子が一人もいなかったらどうしよう」
- 「苦手な子と同じクラスになったら嫌だな」
- 「担任の先生が怖い人になるかもしれない」
こうした不安が子ども達の中で渦巻いて学校に対しての苦手意識がどんどん強くなってしまうことにより、不登校へとつながってしまうこともあります。

②今までの友達との関係性
学年が上がるごとに子ども達の交友関係は目まぐるしく変化していきます。
小学校1年生の時に仲が良かった子が、小学校6年生になったらまったく話さなくなってしまったというケースも少なくありません。
- 「最近あの子と話が合わなくなってきたな」
- 「何だか前まで仲の良かった友達から避けられている気がする」
- 「男の子と一緒に遊んでいるだけでからかわれるようになった」
年齢に応じて友達との関係性は変わっていくため、そうした変化に不安を感じてしまうのは当たり前の気持ちとも言えます。
大人になると、「この年齢だとそういうこともあるか」と思えることも、子ども達にとっては何もかもが初めての経験です。
こうした不安が積み重なっていくと、友達とうまく関係を築くことが難しくなり不登校へとつながってしまうかもしれません。

③自分の立ち位置
中学デビューや高校デビューのように、新しい学校生活をスタートさせる子どもがこうしたことで不安を感じることもあります。
新しい環境では、今までの自分とは違う自分になりたい。
そうした思いから、本来の自然な姿ではなく自分が理想とするキャラクターを演じて、学校生活に疲れてしまう子を何人も見てきました。
また、デビューのタイミングだけではなく、進級によっても今までの自分のキャラクターをこのままにしておいていいのかと悩む子もいます。
- 「いつもいじられ役で嫌になってきた」
- 「本当はアニメが好きなのに、そうじゃないキャラを演じてしまった」
- 「休み時間は本当は一人でゆっくり過ごしたい」
学校の中で、自然体でいられる時間が短ければ短いほど、子どもにとっての負担感は大きくなり学校生活が疲れて不登校になってしまうかもしれません。

④学年に応じた学習課題
小学校6年生や中学校3年生など、受験を控えた学年の子どもが特にこうした悩みを訴えることが多いです。
- 「やらなければいけないのはわかっているけど、勉強に身が入らない」
- 「行きたい学校の偏差値に届きそうになくて嫌になってきた」
- 「周りの子が自分よりも勉強ができているように思えて不安」
特に、志望校の偏差値と自分の学力がギリギリな子ほど、追い込まれてしまいそのストレスから不登校になってしまうこともあります。

では、こうした要因にご家庭ではどのように対応すればいいのでしょうか。
家庭での対応はどんなことをすればいいの?
新学期に対するさまざまな不安に対してご家庭では、
- 新学期に向けての準備
- ポジティブな声かけ
- 学校との関係づくり
この3つの点を特に意識していただくといいと思います。
①新学期に向けての準備
人が何が起こるかわからない未来のことを不安に感じるのは、とても自然なことです。
そこで、新学期に向けて
- 学校生活のスケジュールを確認
- 学校に必要な持ち物の準備
- 友達とどんなことをしてみたいか想像
こうした対応ができます。
特に、新しく小学校1年生になる子には、学校に必要な持ち物をお気に入りの色やキャラクターでそろえるなどするだけでも、気持ちが明るくなって不安も少なくなります。
こうした準備を一つ一つ丁寧に積み重ねていくことによって、不安な気持ちが少しずつ減っていくこともあります。

②ポジティブな声かけ
不安な気持ちを吐き出してすっきりさせることはとても大切なことです。
しかし、ずっと不安な気持ちばかり吐き出しているとどんどんと不安が大きくなってしまいます。
無理に不安な気持ちを我慢させたり、ポジティブになろうとしたりはしなくてもいいのですが、
- 新しい友達とどんなことをしてみたいか
- 学校行事で楽しみなものはないか
- ママ達が学校で楽しかった思い出
こうした声かけをしていただくのもおすすめです。
時折、心配性なママから「うちの子は不安が強い子だからあれもこれも心配」と、先回りして子どもにさまざまなことを大丈夫かどうか毎回確認してしまうという話を聞くことがあります。
時には先回りすることによって、不安の芽が小さいうちに摘み取ることもできます。
しかし、先回りの確認は子どもの不安を煽ってしまうことがとても多いので、ママ達には先回りしたくなる気持ちを我慢してもらって、子どもの今の気持ちに寄り添うことを意識してほしいです。

③学校との関係づくり
学校という環境が子どもにとって安心して過ごせる場所となるためには、ご家庭と学校の関係づくりが欠かせません。
子どもの過程での過ごし方や不安に感じていること、楽しみなことなどを学校と共有することによって、不安が軽減されることがあります。
特に、小学校低学年の子どもの場合には、こうした日々の様子の共有から学校との距離感が縮まったケースも少なくありません。
《小学校の場合》
- 連絡帳(一番手軽で実行しやすいのでおすすめ)
- 電話
- 面談 など
《中学校の場合》
- 手紙
- 電話
- 面談(個人面談のタイミング等が伝えやすい) など
こうした情報共有を積み重ねていくことによって、学校と家庭で協力して子どもが安心して自分自身を表現できる場所を整えていくことができます。
子どもの年齢によっては、学校との情報共有を拒否することもあるので、そうした時には子どもとも相談しながらどのような手段を取るのがいいのかを一緒に考えていくことも大切です。

新年度からマスクなしでの生活が当たり前になってくるかもしれません。マスクを外したくない子どもについてまとめてみました。
どうしても不安が強い子どもはネガティブな気持ちが強くなってしまいがちです。無理せずポジティブな気持ちに切り替えられる方法についてまとめてみました。
おわりに
今回は、新年度に向けて不登校にならないためにご家庭でできることについておはなししていきました。
この時期はさまざまな環境の変化が起こるため、とてもストレスの感じやすい時期でもあります。
子どもだけではなく、ママ達もいつの間にか疲れが溜まってしまい憂うつな気分になってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には無理せずにゆっくりと休んで、心と身体の調子を整えることを大切にしてほしいです。
今回も読んでいただきありがとうございました。








