SCの相談の中で、発達に特性のある子どもを持つママからお話を聞く機会が数多くあります。
- 家庭での対応
- 学校での対応
- 医療機関等の相談
- 進路の悩み
こうした発達障害にまつわる相談が多いのですが、子どもの年齢が上がるにつれて
「子どもが自分が他の子と違うと気づいてきて、なんでなのか知りたいと言われてどうしたらいいのか悩んでいる」
このような子どもの自己理解につながるような相談が増えてきます。
本人に発達障害があることを伝えていいものか・・・
こんな風に悩んでいるご家庭が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもが自分のことを知りたいと感じた時に、どのように伝えていくといいのかについてお話していきます。
どんなときに伝えるタイミングが来る?
どんなときに伝えるタイミングが来るのかという正解はありません。
子どもの状態やその時の環境によっても違います。
だいたいの時期で行くと、小学校の高学年から高校生にかけてのいわゆる思春期の子どもが周囲とのギャップを感じて「自分って何だろう」と知りたくなるケースが今までは多かったです。
「子どもに障害のことを伝えてもいいかもしれない」
そんな風に親が思えるタイミングが、その子にとっての伝える時期でもあるかもしれません。
- 本人の中で周囲との違いの気づきがある
- 障害があってもできることがあると思える
- 親も納得して話ができる など

では、本人に障害について伝えることでどんな効果があるでしょうか。
本人に障害を伝えることの良さってなんだろう?
子ども自身に自分の特性を伝えるとなった時に、メリットがないとなかなか伝えてみようという気持ちにはなりません。
- 自分に必要な知識やスキルがどんなものかを具体的に考えることができるよう
- 自分について知ることができて、安心感が得られる
- 周囲の人との協力体制を作りやすくなる
こうしたメリットが伝えることによって得られます。

もちろん、メリットだけではなくデメリットもあるのでその点を踏まえてどうするかを考える必要があります。
- 特性を免罪符にしてやるべきこともやらなくなってしまう危険性がある
- 「どうせやっても無駄」のように自己肯定感が下がる
- 「できないから」と周囲に対して過剰な配慮を要求してしまうケースもある
こうした危険性も孕むため、子どもの性格や考え方・捉え方によっても伝えるタイミングや工夫が重要になってきます。
子どもに特性を伝えることはメリットもデメリットもある!
だからこそ、子どもに合った方法をよく考えることが大切
では、子どもに特性を伝える際のポイントにはどのようなものがあるでしょうか?
発達障害を子どもに伝える時のポイント
発達障害のある子どもへの伝え方には、次のようなポイントがあります。
- 曖昧な表現や比喩表現は避けて具体的に伝える
- 繰り返し伝える時には、伝え方を統一する
- 簡単な言葉でわかりやすく丁寧に伝える
- 具体的な数字も伝えられるとわかりやすい
- 否定や叱責の言葉を使わず、肯定的な言葉を使う
- 本人の気持ちを否定しない

また、次のような点に注意して伝えてみるとより伝わりやすくなります。
- 特性による苦手だけに焦点を当てるような言い回しはしない
- 特性を「治すべきもの」といった説明にならないようにする
- 家族で統一した対応をする
- 感情的な言葉は使わない
- 視覚的な資料も合わせて使うと伝わりやすい

こうしたポイントと注意点を踏まえて子どもに伝えることによって、子ども自身の自己理解につながります。
自分のことが少しでもわかるようになると、自分に必要なスキルを見つけやすくなります。
では、子どもに発達障害について伝える際に誰が伝えるといいのでしょうか。
誰が子どもに対して発達障害のことを伝える?
子どもに発達障害のことを伝えようと思った時に、「誰が伝えるか」という点はとても悩ましいことだと思います。
考えられるものとしては、
- 主治医
- スクールカウンセラー
- 保護者
ではないでしょうか。
誰がいいかは子どもとの関係や状況によっても変わってきますが、基本的には
子どもとの関係がしっかりと築けている人
が説明した方が、子どもの納得感も違います。
親からすると、「できれば専門家から説明してもらいたい」と思っていても、子どもが受け入れるかどうかは別問題です。
子ども自身が、「この人から伝えてもらえるなら安心」という人に説明してもらうようにすると、説明後の支援もスムーズに行えます。

もし、ご家庭で伝えるとなった時になんて説明したらいいのかわからない・・・となった時には、
こうした本を活用して子どもに伝えるのもおすすめです。
視覚的な絵や図なども使い、具体的な場面について解説してくれているため、子どもにもわかりやすい内容となっています。
おわりに
今回は、発達障害の子どもが自分のことを知りたいと感じた時にどう伝えたらいいのかについてお話していきました。
伝え方やタイミングによっては、本来の意図とは違った受け止め方になってしまう危険性もあるため、伝え方の工夫はとても大事なポイントです。
必ずしも全部を伝えなければならないわけではないですし、子どもによっても受け入れられる幅も異なります。
子どもの「困った」を助けるヒントとして発達障害について伝える、という点を意識して伝えていただく手助けに今回のお話を参考にしてください。
今回も読んでいただきありがとうございました。








