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ゲーム・ネットにハマってしまった子どもへの対処法はどうすればいいの?

冬休みや長期休暇になると、子どもたちがゲームやネットに夢中になる時間が増えることがあります。

冬休みが終わってから1か月近くが経ちましたが、なかなか生活のリズムを取り戻せない子どもも多いのではないでしょうか。

そうした子どもの姿に「このままままで大丈夫なのかな?」「どうやってバランスを取ればいいんだろう?」と悩むこともあると思います。

今回は、子どものゲーム・ネット依存を防ぎ、健康的な生活リズムを取り戻すための対処法についてお話しします。

ゲーム・ネット依存とは?

まず、「ゲーム・ネット依存」とは何なのかを詳しくお話しします。

これは、ゲームやインターネットの使用が過剰になり、それが原因で日常生活や社会生活に影響を与える状態を指します。

依存の程度は個人によって異なりますが、以下のような特徴が見られることがあります。

ゲーム・ネット依存の特徴

《日常生活の影響》

  • 勉強や睡眠、食事など、基本的な生活リズムが崩れる
  • ゲームやネットに夢中になるあまり、学校や家庭での生活が崩れる

《心理的な影響》

  • ゲームができないと強い不安やイライラを感じる
  • 現実の問題から逃れる手段としてゲームやネットが手放せなくなる

《身体的な影響》

  • 長時間の使用による疲労感や目の疲れ、姿勢の悪化
  • 睡眠不足や運動不足による体調不良

《人間関係への影響》

  • 家族や友達とのコミュニケーションを避ける
  • オンライン上のつながりを優先し、現実世界の人間関係が希薄になる

また、世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を正式に病名として認定しており、以下の基準を満たす場合に診断が下されます。

  • ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない。
  • ゲームが日常生活や仕事、学業における優先順位を上回る。
  • ネガティブな結果(社会的な孤立、学業不振など)が生じてもゲームを続ける。

引用:国際疾病分類第11版(ICD-11)

このような状態が12か月以上続く場合、依存症とみなされることがあります。

しかし、こうした状態のすべての子どもがこの基準に当てはまるわけではありません。

依存のサインが見られても、その背景にはストレスや環境の問題が関係していることも多いため、冷静に観察しながら対処することが大切です。

例えば

  • 勉強や睡眠時間を削ってゲームをしている
  • ゲームができないとイライラしたり、落ち着きを失ったりする
  • 家族や友達とのコミュニケーションを避けるようになる

これらの行動が見られた場合、少し注意が必要かもしれません。

「依存かも」と感じてもすぐに叱るのではなく、まずは子どもの状況をよく観察することが大切です。

なぜ子どもはゲームやネットにハマるの?

子どもがゲームやネットに夢中になる理由はさまざまです。

子どもがゲームやネットにハマる理由
  1. 達成感が得られる
  2. 友達とのつながり
  3. 現実逃避
  4. 終わりのないゲームシステム    など

①達成感が得られる

発達障害などの特性がある子どもの場合、日常生活の中ではうまくいかないことが多く達成感が得られる場面が少なくなりやすいです。

そうした状況のなか、ゲームではやればやるだけレベルが上がったり敵を倒したりと手軽に達成感が得られます。

普段の相談でも、子ども達からは

「学校ではうまくいかないことが多いけど、ゲームだと得意だからやっていて楽しい」

こんな風に話をしてくれることがよくあります。

ゲームを現実世界でのうまくいかない状況から解放してくれるツールとして子どもたちは使っていることを知ってほしいです。

②友達とのつながり

コミュニケーションが苦手な子や自信のない子など、友達と現実世界ではうまくつながれない子も少なくないです。

対面で話すと緊張しても、画面越しや文字を通してだと楽しく話せるという子どもも相談の中ではよく見ます。

同じゲームをプレイしているという共通項があることで、より会話のしやすさや仲良くなるまでの時間の短さにつながります。

ゲームが得意な子だと、ゲーム内で頼られたり誘われる機会が多くなったりなど自信を持って友達と関われる場になることもあります。

現実社会での友達とはうまくいかなくても、ゲームを通じての友達とはうまくやれる。

こんな状況になってくると、ますます子どもたちにとってはゲームは手放せないものになります。

③現実逃避

ゲームやネットにハマってしまう子は、現実世界でうまくいっていないケースがとても多いです。

  • 「学校に行かなきゃいけないのはわかっているけど、行きたくない」
  • 「勉強がわからないけど、勉強したくない」
  • 「学校に友達がいないから、行きたくない」

こんな気持ちから一瞬でも解放してくれるのがゲームやネットです。

刺激的なコンテンツに触れていると、頭の中がそれらのコンテンツで埋め尽くされます。

そうしたコンテンツに触れている間は、現実世界の嫌なことには目を向けなくて済むことを子どもたちもわかっているからこそ手放せなくなってしまいます。

一時的なこととわかっていながらも、そうせざるを得ない状況であるということを知っていることも大切です。

④終わりのないゲームシステム

最近のゲームは、多種多様なものが多くステージをクリアしたから終わりというものだけではなくなっています。

ゲームを止めるタイミングが難しいものも多く、ゲーム時間を決めてもその通りに終われなくて困ったというご家庭も多いのではないでしょうか。

特に、スマホのアプリゲームなどは一定期間ごとにアップデートが入り、次から次へと新しいイベントが始まります。

ログインボーナスなどのシステムによって、毎日ゲームを起動しないともったいないという気持ちにもさせられます。

大人でもそうしたシステムに抗えないのに、刺激に弱い子どもならなおさら難しいものです。

「あとちょっと・・・」と思っているうちに、気づけば何時間も経っていた。

こんな風にゲームにはまってしまう子が多くなっています。

 

こうした理由を理解することで、子どもがなぜゲームやネットに没頭しているのかを冷静に考えられるようになります。

どんな子どもがゲームやネットにハマりやすいの?

ゲームやネットをするすべての子どもがハマってしまうわけではありません。

まわりの子どもと同じようにやっていたはずなのに、気づけばうちの子だけ依存みたいになっていった。

こんな風に話してくれた親もいます。

ゲームやネットにハマりやすい子どもの特徴として、

  • ゲーム時間が長い
  • ゲームや勝負事が好き
  • 友人が少ない
  • 衝動性が高い
  • 母子・父子家庭
  • 男の子

出典:三原聡子・樋口進.インターネットゲーム障害の横断的および縦断的疫学的研究.精神医学と臨床神経科学.2017

こうしたものが挙げられます。

特に、衝動性が高いと「やりたい」という気持ちを抑えることが難しくなります。

ADHDのような衝動性が強い子どもはゲームやネットにハマりやすい傾向があるため注意が必要です。

日常生活の改善でできること

依存の予防や改善には、日常生活のリズムを整えることがとても効果的です。

  1. 十分な睡眠を確保する
    • スマホやタブレットは寝る1時間前に手放す習慣をつける
    • 規則正しい生活リズムが整うと、自然と使用時間も減りやすい
  2. 運動を取り入れる
    • 外で体を動かす時間を作ることで、リフレッシュ効果が期待できる
    • 親子で一緒に運動するのもおすすめ
  3. ご褒美システムを活用する
    • 勉強やお手伝いを頑張ったら、ゲームの時間を少し延ばすなど、ご褒美を設定してモチベーションを保つ方法も効果的
  4. 視覚的なスケジュールを活用する
    • 1日の予定を視覚的に示すことで、ゲームやネットの時間を効果的に管理
    • カレンダーやチェックリストを使って「遊ぶ時間」と「学ぶ時間」を区別することで、子ども自身も計画を意識させる
  5. 食事の時間を見直す
    • 食事中のスマホやテレビを禁止するルールを設け、家族で会話を楽しむ時間を増やす
    • 親子間のコミュニケーションが深まり、自然と依存傾向が減少する
  6. 趣味を見つけるサポート
    • 子どもがゲームやネット以外で楽しめる趣味を見つける手助けする
    • 絵を描く、楽器を習う、DIYをするなど、新しい活動を試すことで、ゲーム以外の興味の幅を広げる

 

ゲームの良い使い方を考える

ゲームやネットを完全に禁止するのではなく、適切に活用する方法を考えるのも効果的です。

1. 教育的なゲームを選ぶ
  • プログラミングを学べるゲームや、計算や英語の学習ができるアプリを取り入れることで、遊びと学びを両立させる
2. 家族で一緒に楽しむ
  • 家族全員で楽しめるゲームを選び、コミュニケーションの一環として活用する
  • ボードゲームや協力型のオンラインゲームなどがおすすめ
3. 時間を決めてメリハリをつける
  • 「この時間だけは思いっきりゲームをしていい」というルールを設ける
  • 安心して遊びつつも他の活動とのバランスを保つ
4. 自分の成長を記録する仕組み
  • ゲームで得られたスキルや知識を記録し、それを家族で共有する
  • 自分の成長を実感できて、自己肯定感を高める効果もある
5. 健康面を意識する
  • 長時間座りっぱなしになるゲームでは、適度に休憩を挟むことをルール化する
  • ブルーライトカット眼鏡や適切な姿勢を保つための椅子を用意することで、健康を守りながらゲームを楽しむ環境を整える

こうした取り組みを進めてみるのと合わせて、


 

この本を読んでみるのもおすすめです。

  • なぜ、子どもはゲームにハマってしまうのか
  • ゲームにハマった時に脳はどういう状態になっているのか
  • ゲーム依存はどんな風に治療を進めていくのか

こうした内容をわかりやすくまとめていて、支援者だけでなくゲームにハマっている子どもに悩んでいる親にも読んでほしい1冊です。

おわりに

ゲームやネットは、使い方次第で子どもにとって良いツールにもなります。

完全に禁止するのではなく、適切なバランスを見つけることが大切です。

そのためには、親子で話し合いながらルールを作り、一緒に実践していくことがポイントです。

子どもの健やかな成長をサポートするために、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

今回も読んでいただきありがとうございました。

 

 

この記事には一部生成AIによる文章を使用しています。