小学校入学から早いもので2か月が経ちました。
最初は元気に通っていたのに、ある朝突然、「学校行きたくない…」と子どもが言い出した、という親からの相談が増える時期でもあります。
こうした子どもが登校をしぶる姿は、小学1年生の春〜初夏にかけて特によく見られます。
- 「昨日までは楽しそうに通ってたのに、どうして?」
- 「甘えているだけ?」
- 「無理にでも行かせた方がいいの?」
こんな風に戸惑ったり、焦ったりする気持ちはあって当然です。
子どもの「行きたくない」には、たくさんの理由と、まだ言葉にできない“心の声”が隠れていることもあります。
そこで今回は、小学校1年生の登校しぶりに親ができることについてお話していきます。
Contents
登校しぶりはなぜ起きるの?
小学校1年生の登校しぶりは、決して珍しいことではありません。
むしろ「誰にでも起こりうるもの」と考えた方が、親としても気持ちが楽になります。
ここでは、実際によく見られる原因を5つに整理してご紹介します。
①環境の大きな変化による“心の疲れ”
小学校は、幼稚園や保育園と比べて環境の変化が非常に大きいです。
- 教室にじっと座る時間が長い
- 授業という形式的な活動への参加
- 先生の指示が多く、自由時間が少ない
- クラスメートの人数が多く、関係づくりが複雑
こうした変化は、想像以上に子どものエネルギーを消耗させます。
特に、がんばり屋の子や「いい子」でいようとする子ほど、家でどっと疲れが出やすいです。

②友だち関係の不安・トラブル
入学直後は、「誰と遊ぶか」「話しかけられるか」「グループに入れるか」が子どもにとって大きなテーマになります。
「仲良しの子ができない」「誘っても断られた」など、小さなことでも心に残り、「学校=不安な場所」になってしまうことがあります。
また、無理に仲良くしようと気を遣いすぎて疲れてしまう子もいるので要注意です。

③授業や活動についていけない・失敗体験が続いた
ひらがなの書き取りやプリントの提出など、日常的な学習活動で「できなかった」「叱られた」などの経験があると、子どもは大きな挫折を感じることがあります。
- 「みんなができているのに自分はできない」
- 「また怒られるのがイヤ」
こうした思いが重なって、登校へのハードルが高くなってしまいます。

④家の方が安心・甘えたい気持ちが強くなっている
特に新生活が始まったばかりの時期は、子どもにとって「家」が何よりの安心基地です。
- 朝の支度中に甘える
- 出発直前になって「行きたくない」と泣く
これは“わがまま”ではなく、緊張しているからこそ、安心できる家にしがみつこうとする自然な行動です。
こうした気持ちが強くなりすぎてしまうと、母親から離れがたくなる母子分離不安につながることもあります。

⑤体調不良や睡眠不足など身体的な要因
見落とされがちですが、実は「疲れている」「睡眠不足」「軽い風邪症状がある」など、体の不調も登校しぶりの原因になります。
特に体調が言葉でうまく表現できない子は、違和感を「行きたくない」という形で伝えることがあります。

小1特有の「心の疲れ」と見えにくいサイン
小学1年生は、見た目には元気そうに見えても、心の中では不安や緊張を抱えていることがあります。
特に入学後の1〜3か月は「がんばりすぎ期」とも呼ばれ、本人なりに学校生活に適応しようと一生懸命です。
そのがんばりが限界を迎えたとき、「行きたくない」「おなかが痛い」などのサインとして現れます。
- 学校ではがんばっている分、家で甘えが強くなる
- 授業中は静かにしていても、緊張している状態が続いている
- 「楽しい」と言っていたのに、突然登校しぶりになる
これらはすべて、子どもが「学校で適応しようとがんばった結果」です。
- 朝の支度に時間がかかるようになった
- 忘れ物や失敗が増えた
- 夜の寝つきが悪くなった、夜中に起きる
- 急に怒ったり泣いたりすることが増えた
- 下のきょうだいのような幼い言動をする
これらのサインが出ていたら、子どもは心のエネルギーが減っている状態かもしれません。
親としては、「なぜ今?」と驚かず、「がんばってた証拠だな」とまず受け止めてあげることが大切です。

登校しぶりが出たときの基本的な関わり方
「学校に行きたくない」と言われたとき、親としては焦りや不安、時にはイライラを感じることもあるかもしれません。
でも、子どもがそう言うときは「どうか気づいて」「わかってほしい」というサインでもあります。
ここでは、登校しぶりが出たときに保護者が取るべき基本的な関わり方を紹介します。
まずは「行きたくない気持ち」を否定しない
「みんな行ってるよ」
「泣いたって無駄よ」
「そんなわがまま言わないの」
こうした言葉は子どもを追い詰めてしまいます。
「そっか、行きたくないんだね」
「今日はしんどいのかな」
“登校しぶり=ダメなこと”ではなく、「気持ちを表現できたこと」をまず肯定してあげると子どもの安心感につながります。

無理に理由を聞き出そうとしない
- 「どうして学校に行きたくないの?」
- 「誰かに何か言われた?」
- 「授業が嫌なの?」
こんな風に問い詰めてしまうと、子どもは言葉にできない自分を責めてしまうことがあります。
言えない時は無理に言わせず、「話したくなったらいつでも言ってね」と伝えて、そっとしておく勇気も必要です。

まず“安心”を取り戻す
学校に戻ることを急がず、
- 家で静かに過ごす
- 好きな遊びを一緒にする
- おやつを食べながらゆっくり話す
こうした、子どもがホッとできる時間を意識的につくることで、「またがんばってみようかな」というエネルギーがたまっていきます。

朝の声かけ・悪い対応・成功例
登校しぶりが出やすい「朝の時間」。保護者にとっても一番気を遣う場面です。
ここでは、登校前の関わり方について、悪い例・良い例・実際の成功パターンを紹介します。
「はやく準備しなさい!」(→追い詰める)
「じゃあ休めば?」(→突き放す、試されていると感じる)
「また泣いてるの?」(→感情を否定される)
朝はお互いに余裕がないので、思わず強い言葉になりがちですが、これらは逆効果になることもあります。

「今、ちょっとしんどいのかな?」
「ママ(パパ)も緊張する日ってあるよ」
「今日、ここまでがんばれたね(着替えた/顔を洗えた など)」
ポイントは、“登校”以外の努力にも目を向けて認めることです。
「学校に行けた/行けない」だけで一喜一憂せず、その前のプロセスを褒めることで、子どもは前向きになります。

- 「今日は1時間目だけ行って、しんどかったら帰っておいで」→結果的に5時間まで参加できた
- 「ママが一緒に門の前まで行くよ」→不安が和らぎ、登校できた
- 「今日はお休みだけど、明日は行けそうかな?一緒に考えてみよう」→“自分で決められる”感覚が安心につながった
少しずつ学校に戻るための“ステップ”と選択肢
登校しぶりの回復には、“いきなりフル登校を目指す”のではなく、子どものペースに合わせて小さなステップを重ねていくことが大切です。
ここでは、よく使われる支援のステップと、その選択肢を紹介します。
- 家で安心して過ごせる状態をつくる(気持ちの充電)
- 学校の近くまで散歩する・付き添い登校(学校の雰囲気に慣れる)
- 教室以外の場所(保健室・相談室)で過ごす
- 登校時間をずらして登校する(混雑や緊張を避ける)
- 好きな授業・短時間からの部分登校
- 通常登校へ(無理のない目標設定)
子どもの反応を見ながら、1つずつ段階を進めていくといいと思います。
そのために・・・
- 「今日は1時間だけでもいいよ」
- 「教室じゃなくて保健室でも大丈夫」
- 「疲れたら帰ってきてもいい」
こうした選択肢があることで、子どもは「行くか/行かないか」の2択に追い詰められずに済みます。
- 必ず“回復のための休み”であることを子どもと確認
- ゲーム漬け・昼夜逆転などは避け、生活リズムは整える
- 休みの間も、担任やカウンセラーと情報共有しておく
こうしたポイントを意識して、学校を休むといいかもしれません。

先生・スクールカウンセラーとの連携方法
登校しぶりは、家庭だけで抱え込まず、学校と連携することでより効果的に対応できます。
ここでは、親がどのように学校と関わっていけばよいか、ポイントを紹介します。
担任の先生への伝え方
登校しぶりが続く場合は、なるべく早めに担任の先生に連絡をしましょう。
- 「最近、朝に“行きたくない”と泣くようになってきて…」
- 「家では○○な様子ですが、学校ではどうですか?」
- 「しばらく部分登校で様子を見たいのですが、ご相談できますか?」

スクールカウンセラーの活用
- 「子どもがなかなか理由を話してくれない」
- 「自分の関わり方に不安がある」
こうしたことにお悩みの際は、ぜひスクールカウンセラーに相談してください。
カウンセラーは、子どもの心の状態を第三者として見守り、保護者や担任とも連携を取りながら、登校支援を進めてくれる存在です。

どうしても行けない時にできる家庭でのサポート
どんなに工夫しても、「今日はどうしても行けない」という日があります。
無理に登校させようとしても、かえって親子の関係にひびが入ることもあるかもしれません。
そんな時は、“休む”ことを前向きなプロセスとしてとらえながら、家庭でできる関わりをしていくことが大切です。
休んだ日は、「学校をさぼった」と捉えず、
- 「今日は心のエネルギーをためる日」
- 「また行けるようになるための準備期間」
こうした肯定的な意味づけをしていくと子どもも安心してエネルギーが貯められます。

- 朝はなるべく起こし、生活リズムを保つ
- パジャマのままでなく、着替える
- 適度な活動(読書、ぬり絵、散歩など)を取り入れる
- ゲームや動画は時間を決めてやる
「遊ばせていいの?」と不安になるかもしれませんが、子どもの気持ちが回復するには、楽しいこと・安心できることも必要です。
ただし、“だらだら過ごす”こととは区別しておくことが大切です。
- 学校のプリントに目を通す
- 担任の先生から手紙をもらう
- 学校の写真を一緒に見る
- 「○年○組」「先生の名前」などを会話に出す
直接登校しなくても、“気持ちが学校と切れないように”することが大切です。

よくある質問Q&A
登校しぶりに関して、保護者の方からよく寄せられる質問と、その対応のヒントをQ&A形式でまとめました。
Q1. 登校しぶりは“甘え”ですか?
登校しぶりは決して甘えではありません。
特に小1の登校しぶりは、心の疲れや環境変化に適応する過程で起こる自然な反応です。
甘えではなく、“安心を求めるSOS”として受け止めてみるといいかもしれません。
Q2. 無理にでも行かせたほうがいいのでしょうか?
一概には言えませんが、「本人が限界を感じているとき」は無理をさせず、心のエネルギーを回復させることが優先です。
どうしても行けない日は、「休むこと」も選択肢のひとつです。
Q3. 子どもが理由を話してくれません。どうしたらいい?
無理に聞き出そうとせず、「話したくなったら聞くからね」と伝え、待つといいかもしれません。
子どもは「わかってくれてる」と感じたときに、自然と話し始めることがあります。
Q4. いつまで様子を見ていればいいの?
数日~1週間で回復する子もいれば、数か月かけて少しずつ登校できるようになる子もいます。
期間の長さより、「少しずつ前に進んでいるか」が見守る際のポイントです。
Q5. きょうだいへの影響が心配です…
登校しぶりの子に手がかかると、他のきょうだいへの配慮が難しくなりがちです。
ときどきは意識的に「きょうだいだけの時間」を作って、「あなたも大事だよ」という気持ちを伝えてみるのもいいと思います。
Q6. 子どもがゲームばかりしています。やめさせるべき?
ゲームは「心の回復」に一役買うこともありますが、長時間になると逆効果です。
ルールを決めて、遊びと休息のバランスを保てるように支援しましょう。
おわりに
登校しぶりは、決して特別なことではありません。
小学校1年生という大きな環境変化の中で、多くの子どもが少なからず戸惑いや不安を感じています。
その中で「行きたくない」と言葉にできたこと、泣けたこと、親に伝えられたこと。
それ自体が、すでに大きな“勇気”であり、成長の一歩でもあります。
保護者としては、つい結果を急いだり、子どもの姿に一喜一憂してしまいがちですが、
- 少しでも気持ちを聞こうとしたこと
- 子どもに安心を届けようとしたこと
- 一緒に考えようと寄り添ったこと
それらすべてが、確実に子どもの力になっています。
今回も読んでいただきありがとうございました。
※この記事には一部生成AIの文章が使われています。








