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現役スクールカウンセラーの子育て応援ブログ
子どもの心と行動のサポート

【スクールカウンセラーが解説】プレイセラピーとは?子どもの心を癒す心理療法のしくみと活用法

スクールカウンセラーの相談の中で、

  • 「うちの子、なかなか気持ちを話してくれない…」
  • 「癇癪や不安が増えているけれど、どうしたらいいの?」

こうしたお悩みについて話す人は少なくありません。

そんなときに選択肢のひとつとして知っておきたいのが、プレイセラピー(遊戯療法)です。

言葉で気持ちを表現するのが難しい子どもたちにとって、「遊び」は心の言葉となります。

そこで今回は、プレイセラピーの基本や対象年齢、具体的なやり方、保護者が知っておきたい注意点などについてお話していきます。

そもそもプレイセラピーって何?

プレイセラピー(遊戯療法)とは、子どもの遊びを通じて心の内面にアプローチする心理療法です。

子どもは大人のように自分の感情や悩みを言葉で整理して伝えることが難しいため、

  • おままごと
  • 人形遊び
  • ブロック
  • お絵描き
  • 粘土                       など

こうした遊びを通じて、無意識の思いや感情を表現します。

セラピスト(心理士)はその遊びを観察し、関わりながら、子ども自身が「自分の気持ちを理解し、整理し、回復する」プロセスを支えていきます。

どんなときにプレイセラピーが行われる?

プレイセラピーが行われる例
  • 不登校や登園しぶりがある
  • 友達とうまくいかない
  • きょうだいとの関係が難しい
  • 両親の離婚・家庭内不和
  • 大きな生活の変化(転校・引っ越し・入院など)
  • 夜泣き・チック・過度な不安・癇癪などの情緒的問題
  • 虐待やいじめなどのトラウマ体験
  • 発達障害やHSCなど感受性が高い子

プレイセラピーは症状の重さに関係なく、「話すことが難しい」子どもにとって、自分を守りながら気持ちを外に出すための安全な方法として効果的です。

プレイセラピーの進め方

セラピストと子どもとの信頼関係が第一

プレイセラピーでは、まず子どもが「ここなら安心して遊べる」と思える環境づくりが重要です。

無理に話させることはせず、子どものペースを大切にします。

決まったセッション時間と場所

一般的には週1回、30〜50分ほどのセッションが継続的に行われます。

セラピールームには、子どもが自由に使える玩具や道具(お人形、ブロック、砂場、粘土、絵具など)が用意されています。

遊びを通して表現・整理・回復へ

セラピストは、子どもの遊びの内容やテーマ、繰り返されるパターンなどを読み取り、

「この子はいま何を感じ、何を伝えようとしているか」

といった子どもの心の動きを丁寧に理解していきます。

必要に応じて、言葉でのフィードバックや共感、遊びへの参加などを通して、子どもが気持ちを整理しやすいように支援します。

 

こうした流れを繰り返していくことによって、子ども自身の気持ちの整理へとつながります。

プレイセラピーの代表的な種類

①ノン・ディレクティブ(非指示的)プレイセラピー

子どもが自由に遊びを選び、セラピストはそれを尊重して受け止めるスタイルです。

「どんな気持ちも大丈夫」という無条件の受容が軸となり、一般的にプレイセラピーとしてイメージしやすいものだと思います。

②ディレクティブ(指示的)プレイセラピー

必要に応じてセラピストが遊びやテーマを提供するスタイルです。

トラウマの処理や課題解決型の支援(たとえば離婚や喪失の整理)に行われることがあります。

③親子プレイセラピー(親子関係療法)

保護者も一緒に参加し、親子の関係づくりを支援するセラピーです。

親が子どもの気持ちを受け止め、共感する体験を通して、関係性の再構築を目指します。

児童相談所などで、虐待等の問題を抱えた親子に対して行われることがあります。

プレイセラピーの効果とは?

プレイセラピーの効果
  • 気持ちの整理ができるようになる
  • 問題行動の背景にある感情が軽減される
  • 自己肯定感や安心感が育まれる
  • 信頼できる大人との関係性が築かれる
  • 親子関係が改善される
  • 感情をコントロールしやすくなる

子どもは「言えない気持ち」や「分からない感情」を、遊びを通して安全に外に出すことができます。

その結果、問題行動が自然に減っていくケースも多く見られます。

私が以前勤務していた教育相談室でもプレイセラピーを実施していて、セラピーを続けていくうちに学校での問題行動や親子関係が改善したケースがありました。

保護者が知っておきたいこと

すぐに効果が出るわけではない

プレイセラピーは“じっくり型”の支援です。

数回のセッションで劇的な変化が見られるというよりも、回数を重ねる中で徐々に変化が現れてきます。

私が経験したケースの中でも、変化に至るまでに数年の時間がかかったものもありました。

子どもの表現に意味がある

「ただ遊んでるだけじゃないの?」と思われがちですが、そこには必ず意味があります。

たとえば、人形を何度も隠す→「守りたい気持ち」「見られたくない不安」の表れかもしれません。

こうした遊びの中にも、子どもなりの意味があるとプレイセラピーでは考えます。

セラピストは子どもの遊びから、子どもの遊びの中に隠された思いを理解しようとしています。

親のかかわりも大切

家庭で「今日は何したの?」と聞くのではなく、「今週もがんばったね」「遊べてよかったね」と、子どもの安心感を支える声かけが効果的です。

ついどんなことをしたのか根掘り葉掘り聞きたくなってしまうと思いますが、子どもが安心して表現できる場にするために協力をお願いしています。

プレイセラピーはどこで受けられる?

プレイセラピーが受けられる場所
  • 心理士のいる医療機関(小児精神科・心療内科)
  • スクールカウンセラー(学校によって対応は異なる)
  • 児童発達支援センターや療育機関
  • 臨床心理士・公認心理師を要請している大学院に併設されている相談室
  • 私設のカウンセリングルームや臨床心理士事務所

費用や頻度は施設によって異なります。

気になる場合は「子ども プレイセラピー 地域名」で検索すると、近隣の支援機関が見つかりやすいです。

調べてもわからなかったという場合には、お近くのスクールカウンセラーにお尋ねください。

おわりに

大人が言葉でカウンセリングを受けるように、子どもにとっての“カウンセリング”は「遊び」の中にあります。

話せない・表現できない子ほど、プレイセラピーによって心が少しずつ軽くなっていきます。

子どもの困った行動の裏には、困っている心が隠されていることが多いです。

プレイセラピーはそうした子どもの心に寄り添い、子どもが本来持っている“自分を癒す力”を引き出していく大切な支援法です。

もし子どもの心の不調が気になるときは、「遊び」の力を信じて、選択肢のひとつとして考えてみてください。

今回も読んでいただきありがとうございました。

 

※この記事には一部生成AIの文章が使われています。