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現役スクールカウンセラーの子育て応援ブログ
子育て

「へこたれない子になってほしい」しなやかな心を育てる【レジリエンス】って何?

普段の相談の中で、

「うちの子ってすぐにへこたれてしまって頼りない」

「失敗を怖がって新しいことにチャレンジしない」

「嫌なことからすぐに逃げてしまって困る」

このような相談をママ達から受けることがあります。

子ども達には逆境に立ち向かう強い心を持ってほしい、そう願うママ達も多いかと思います。

そこで今回は逆境にぶつかっても立ち直る力、レジリエンスについてお話ししていきます。

レジリエンスってどんなもの?

レジリエンスとは、そもそも「回復力」や「弾力性(しなやかさ)」という意味をもつ英単語で、心理学では落ち込んだ状況から立ち直る心のしなやかさのことを言います。

レジリエンスで大事なことは、どんな逆境も跳ね返す心の強さを育てるというわけではなく、どんな逆境になっても立ち直れるしなやかな心を育てていくことです。

よく、「折れない心を育てる」ということと勘違いされやすいのですが、そうではなく「心が折れても立ち直れる力を育てる」という意識を持っていただくといいと思います。

普段の生活の中で、どんなことにも傷つかずに生きていくことは至難の業です。

子どものうちから傷ついた後に、気持ちを立て直す力を育てていくことが、今後の長い人生を歩んでいく上でもとても重要になってくるのです。

レジリエンスを育てて、どんな困難が起こっても立ち直れる力を高めることが重要!

では、レジリエンスはどうやったら育つのでしょうか。

レジリエンスの育て方

レジリエンスを育てる上で大事なポイントは、

  1. 子どもの自己肯定感を高める
  2. 困った時に周囲にSOSを発信できる

この2つの視点を取り入れることです。

①子どもの自己肯定感を高める

自己肯定感、というと何だか難しいかもしれませんが、簡単に言うと「自分に自信がある子」が自己肯定感の高い子どもです。

なぜ自信がある状態がいいのかというと、たとえ失敗したとしても「自分には○○があるから大丈夫」と自分で自分を励ます力につながるからです。

【自分に自信がある子】

新しいことにチャレンジする⇒失敗しても諦めずに再チャレンジ⇒成功して自信につながる⇒また新しいことにチャレンジしたくなる

〇好循環が生まれる

【自分に自信がない子】

失敗が怖くて新しいことにチャレンジできない⇒周囲に促されて渋々チャレンジする⇒うまくいかなくて「やっぱりダメだった」と自信をなくす⇒新しいことにチャレンジする気持ちがなくなる

×悪循環に陥る

ほとんどの子どもが上記の2パターンのどちらかではないでしょうか。

自分に自信がある子になってほしい、と願うママも多いと思います。

でも、「うちの子には自信につながるような特技がないから困る」と感じている方も同じぐらい多いかもしれません。

自信がある=人に自慢できる得意なことがある、と誤解されることが多いのですが、実際にはそうではなく自分のことを認めてあげられる子が自分に自信がある子と言えます。

なので、ご家庭ではそのままのあなたで十分素敵、そんな雰囲気を大事にしていただけるといいと思います。

自信がある子≠人に自慢できる得意なことがある子

自信がある子=自分のことを認めてあげられる子

②周囲にSOSを発信できる

困難な状況にぶつかった時、必ずしも自分の力だけで立ち向かわなければならないというルールはありません。

でも、つい自分の子どもにはどんなことにも自分の力だけで解決してほしい、そう願ってしママ達も多いのではないでしょうか。

自分で解決できそうな見通しが立てば、子ども達は困難な状況にも立ち向かう力はあります。

しかし、すべての困難な状況に対して自力で解決の見通しが立てられるわけではありません。

すべての問題に自力で立ち向かおうとすると、心がくじけてしまう危険性もその分高まります。

自分一人で問題を抱え込みすぎるあまり、うつ病などの精神疾患になってしまう社会人の話を聞いたことがあるママも多いのではないでしょうか。

そうならないためにも、大人でも自力での解決が難しい時には、周囲の協力が得られないか働きかけるはずです。

子どもにも同じように、自分の力だけでは難しいと思った時には周囲にSOSを発信する力が求められます。

もしかしたら、SOSを発信する過程で自分にできるところまで協力してもらおうとする子もいるかもしれません。

子どもは大人のように自分の力をどの程度発揮できるのか正しく理解していないことがほとんどなので、うまくママ達からフォローを入れていただく必要があります。

「ここまでならあなたもできるんじゃないかな」

「試しにやってみてダメだったら一緒にやってみよう」

こんな感じで声かけをしながら子どもに促していただくのもいいのではないでしょうか

自分一人で抱え込みすぎないよう、周囲にSOSを発信できる力を身に付ける!

まとめ

今回はレジリエンスについてお話ししていきました。

自分一人でどんなことにも立ち向かえる力を身に付けてほしい。

そう願うママ達も多いはずです。

大事なことは自分を認めてあげられる自信を持ち、上手に周囲の協力も得ながらいろんな問題に立ち向かえるようになることです。

そのための子育てのヒントに今回の内容が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

今回も読んでいただきありがとうございました。