親が子どもに「また怒ってしまった…」を減らすアンガーマネジメントの考え方

子どもが育っていく姿を見るのは親からすると、とても嬉しくて楽しい時間ではないでしょうか。
でも、子育ては楽しいだけで終わらない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
- 自分の思い通りにならないとがかんしゃくを起こす
- 自分で準備をしないで、のんびりしている
- 学校から帰ってきて、宿題などもやらずに遊んでばかりいる
こうしたイライラを日々感じながら過ごしていませんか。
そこで、今回はイライラなどの心のもやもやを小さくして、少しでも楽になる方法の一つであるアンガーマネジメントについてお話ししていきます。
Contents
そもそもアンガーマネジメントって何?
アンガーマネジメントとは、怒りの感情とうまく付き合っていくための対処の仕方のことを言います。
よく、アンガーマネジメントで怒らない人になれる、という誤解をされることがありますが、怒りの感情をなくすことがアンガーマネジメントの目的ではありません。
アンガーマネジメントを取り入れることによって、怒りの感情に振り回されないようにしていくことが本来の目的です。
アンガーマネジメント≠怒りの感情をなくす方法
アンガーマネジメント=怒りの感情とうまく付き合う方法

では、実際にどのように行っていけばいいのでしょうか。
アンガーマネジメントのやり方はどうすればいいの?
ここでは、
- カッとなってしまった時にできること
- イライラしないためにできること
- 上手に怒るためにできること
この3つのポイントに絞ってお話ししていきます。
① カッとなってしまった時にできること
人はなんとなく怒りの感情を悪いものだと考えてしまいがちです。
しかし、怒りの感情があることで危険から身を守ることもできるので、怒りの感情は人にとって必要な感情なのです。
大事なことは自分の中の怒りの感情と向き合って、上手に付き合っていく方法を身に付けて怒りの感情を自分でコントロールできるようにすることです。
- イライラした時に大声を出してしまう
- イライラした気持ちが表情に出やすい
こういう状態になってしまう人は怒りの感情を自分でコントロールできていないと言えます。
こうしたイライラした気持ちが起こった時にできることは
1)6秒間ゆっくり深呼吸をする
2)その場を離れて気持ちを休める
3)イライラの点数を採点してみる
この3つの方法が手軽にできると思います。
1) 6秒間ゆっくり深呼吸する
人の怒りの感情は6秒をすぎると理性を働かせることができると言われています。
なので、イライラした出来事に遭遇した時に感情のままに行動するのではなく、6秒間ゆっくり深呼吸することを心がけるだけで、イライラして大きい声をだすことが少なくなっていきます。

2) その場を離れて気持ちを休める
イライラする出来事に遭遇した時に、ずっとその場にいるとイライラがすぐに思い出されて落ち着かないこともあるかと思います。
そんな時には、その場から離れることも怒りの感情をコントロールするためにはとても大切です。
相手がいる場所で怒りを感じた場合、
こんな風に一言声をかけてからその場を離れると、相手にも嫌な思いをさせなくていいのではないでしょうか。
ご家庭では、夫婦での話し合いや子どもに注意するときなどイライラしてしまう可能性があれば、事前にイライラした時にはその場を離れてもいいルール作りをするのも効果的です。

3) イライラの点数を採点してみる
イライラする出来事に遭遇した時、
「この怒りは10段階中○○ぐらいだな」
こんな風に採点してみるのも、怒りの感情をコントロールするのに効果的です。
さまざまな出来事でこうした採点をしてみると、自分がどんな時にどんな風に怒りやすいかを客観的にとらえることができるようになります。

② イライラしないためにできること
人はついイライラする出来事などが起こると
「○○のせいでイライラさせられた」
このように誰かのせいにしてしまうことが多いのではないでしょうか。
毎回イライラの原因を誰かに求めるのは、イライラしないためにはあまりよくありません。
アンガーマネジメントの目的には、イライラしないように自分を変えるというものもあるので、イライラしない自分づくりのためにできる方法をいくつかお話ししていきます。
1)気分がよくなるストレス発散方法を見つける
2)自分がイライラしやすい状況を整理する
3)イライラする出来事が起こっても笑顔でいるよう心がける
この3つの方法がイライラしない自分を作るためにできることになります。
1) 気分がよくなるストレス発散方法を見つける
普段、みなさんはストレス発散のためにやってることはどんなものがありますか?
友達と集まって愚痴を言い合ってストレス発散をしている、という人も中にはいるかもしれません。
適度にガス抜きをするために愚痴を言うことはいいのですが、愚痴ばかりになってしまうとよりイライラが増してしまうので愚痴を言うだけはあまりおすすめしません。
愚痴を言うことによって何度もイライラした場面を思い出すことになるので、よりイライラした気持ちを忘れにくくさせてしまうのです。
なので、イライラを定着させない別のストレス発散方法を見つけておく必要があります。
おすすめは軽い運動のようなエクササイズをすると気持ちがスッキリします。
- サイクリング
- 散歩
- カラオケ
- ホットヨガ
こうしたものが手軽にできていいのではないでしょうか。
いろんなものを試してみて、自分に合ったストレス発散方法を見つけるのもイライラしないためには重要です。

2) 自分がイライラしやすい状況を整理する
普段、生活している中で自分がどんなことにイライラするのか考えている人は少ないのではないでしょうか。
日にちが経つとどんなことでイライラしていたのかも曖昧になって、原因を忘れてしまっていることもあるかと思います。
以前のイライラの原因を思い出そうとすると、さまざまな要因が合わさって事実とは異なる記憶になってしまうことも出てきてしまいます。
そうした思い込みにより自分のイライラの原因が見えなくなってしまうと、事実と違う原因を改善しようと的外れな対応になってしまう可能性が高くなります。
そうならないために、実際に自分がイライラした時に
- 「〇月×日 ○○があってイライラした」
- 「△月□日 ○○と言われてムッときた」
このように簡単にその時の状況を記録しておくと効果的です。
記録には、①でも話をした怒りの採点も一緒にすると、自分がどんな時にどんな風にイライラするのかがより明確になっていいのではないでしょうか。
イライラの記録をイライラしている時に読むのはおすすめできないので、心が落ち着いている時に記録の振り返りをして自分のイライラのパターンを見つけていくのが大切です。
こうした本を活用して、気持ちの整理をしてみてもいいかもしれません。

3) イライラする出来事が起こっても笑顔でいるように心がける
ことわざに「笑う門には福来る」というものがありますが、実はあながち間違いではありません。
みなさんの中に
少し相手を困らせてやろうという意図で怒ったフリをしていたら、いつの間にかフリではなく本当に怒ってしまった
こんな経験をされた方もいませんか?
人の気持ちは自分の表情などの影響も受けやすく、フリでも怒った表情をしているといつの間にかその表情が本当になってしまうことが出てくるのです。
なので、イライラしている時にも笑顔でいるように心がけていると、イライラではなく楽しいという風に気持ちが変わっていきます。
最初のうちは苦痛に感じるかもしれませんが、やっていくうちに自分の気持ちが楽しいに変わることを実感できれば続けていくモチベーションにもつながるのではないでしょうか。

③ 上手に怒るためにできること
これまで、イライラを表現しないようにするための方法をお話ししていきました。
しかし、それでは根本的な解決につながらないこともあります。
必要な時にはしっかりと怒って解決につなげていくのも時には必要です。
そのためには上手に相手に怒ることが重要になってきます。
上手に怒るためにできることは
1)何をしてほしいのかを具体的に伝える
2)「私」を主語にしたIメッセージで伝える
3)過去の話を持ち出さずに伝える
この3つを意識していただくのがいいと思います。
1) 相手に何をしてほしいのかを具体的に伝える
ついイライラした気持ちのままに相手に怒りをぶつけてしまう人も少なくありません。
どんなに正しいことを言っていたとしてもイライラからくる言葉は相手に正しい状態で伝わりません。
そうならないためにも、
- 怒っていいこと
- 怒ってはいけないこと
この2つに分けて状況を整理する必要があります。
| 怒っていいこと | 事実・行動・結果 |
|---|---|
| 怒ってはいけないこと | 性格・能力・人格 |
例えば、子どもが家に帰ってから宿題をすぐにやらずに遊びに出かけてしまってそのまま宿題を忘れてしまった時、
「家に帰ったらすぐに宿題をする約束を守らなかったのは良くなかったね」
「家に帰ったらすぐに宿題をやらないのは、普段からだらしないからだよ」
どちらのパターンで怒ることが多いでしょうか。
どちらも宿題をすぐにやらなかったことを怒っているのですが、下の怒り方だと言われた子どもが自分を否定された気持ちになってしまうかもしれません。
相手の性格や能力に関することを怒ってしまうのは、人格否定にもつながってしまうので怒っていいのは相手がやった事実や行動、その結果だけということを覚えておいてください。

2) 「私」を主語にしたIメッセージで伝える
Iメッセージという言葉を聞いたことがある人も中にはいるかもしれません。
相手に自分の気持ちを理解してもらうために、Iメッセージを上手に取り入れられるようになるとコミュニケーションがうまくいくこともあります。
イライラをそのままの形で相手にぶつけないことは大事ですが、だからといって相手に自分のイライラを理解してもらわなくてもいい、ということにはなりません。
こんな風に伝えられると相手も理解しやすいのではないでしょうか。
Iメッセージと反対の「あなた」を主語にしたYouメッセージだと相手を責めているような印象になってしまうので、主語がどちらになっているかを意識しながら伝えられるといいと思います。

3) 過去の話を持ち出さずに伝える
普段の相談の中でもよく子どもに対して以前の失敗を持ち出して怒ってしまう、という話をされることがあります。
今その時に起こっていること以外のことで相手に怒ってしまうと、相手を「なんで関係ないことを持ち出してくるんだ」という気持ちにさせてしまうことがあります。
そうすると本当に伝えたいことが伝わらず、関係ないことにまで話が広がって収集がつかなくなってしまう可能性がでてきてしまいます。
- 「いつもそうだけど・・・」
- 「何度も注意しているけど・・・」
このような伝え方だと相手が不満に思ってしまいます。
なので、その場で起こった出来事のみのイライラを相手に伝える、ということを意識して伝えるようにしていただけるといいと思います。

おわりに
今回はアンガーマネジメントについてお話ししていきました。
私自身もそうですが、つい相手に何か不満を伝えたい時に過去のことを持ち出してしまったり主語を相手にしてしまったりすることがよくあります。
そうすると本来話したかった目的とは違う話し合いになってしまい、お互いにイライラして疲れて終わるだけだったということも少なくありません。
今回お話ししたアンガーマネジメントの要素を少し意識するだけでも、相手に伝えたいことが明確になっていいのではないでしょうか。
普段、私は下記の本を読んでアンガーマネジメントのトレーニングをしているので、もし興味がある方がいましたらぜひ参考にしてみてください。
今回も読んでいただきありがとうございました。









