スクールカウンセラーの相談の中で、意外に多いのがお小遣いに関する内容です。
- 「何年生ぐらいからお小遣いを渡せばいいのか?」
 - 「お小遣いを渡すとすればいくらぐらいがいいのか?」
 - 「お小遣いを渡すとあっという間に使ってしまいそうなので、できれば渡したくない」
 - 「子どもが親の財布から勝手にお金を盗んでしまったので、お金は極力持たせたくない」
 
こうした悩みはどのご家庭にも少なからずあるかと思います。
そこで今回は、私が今までに受けてきた相談の中で出てきたお小遣いに関するお悩みについてお話していきます。
Contents
よくあるお小遣いの悩みって何?
今までの相談の中でお小遣いに関する悩みは大きく分けて
- いくら渡すか?
 - どうやって渡すか?
 - 使い道に制限はかけるか?
 
この3点が非常に多かったです。
①お小遣いはいくらぐらい渡すもの?
私が今まで受けてきた相談の中では、
- 小学校1~4年生:100円~500円
 - 小学校5~6年生:500円~1,000円
 - 中学校1~3年生:1,000円~3,000円
 
このぐらいの金額設定が多かったです。
同じ学年でも地域やご家庭の状況によっても渡す金額が異なるため、一概にこれが正解というわけではありませんが目安としてはこれぐらいの金額です。

②お小遣いはどうやって渡す?
お小遣いを渡す際に、いつ・どのように渡すかは
- 月の始まりや終わりなどの決まったタイミング
 - お手伝いをした時
 - テストでいい点数を取った時
 
こんな形で渡すご家庭が多かったです。
決まったタイミングで決まった金額を渡すご家庭もあれば、お手伝いをした時やテストでいい点を取った時など特別なタイミングで渡すご家庭もありました。
中には、お手伝いの表を作ってそこに1回○○円と決めて渡しているなんてお話を聞くこともありました。
決まった金額で渡しているご家庭でも、特別なタイミングで臨時ボーナスのように渡しているところもあり、ご家庭によって渡し方はさまざまでそれぞれのご家庭にあったやり方でやっているんだろうなという印象を受けました。

③お小遣いの使い道はどうしているの?
お小遣いの使い道は、子どもたちから話を聞いてみると
- 友達と遊びに行く時のお菓子代
 - お小遣いを貯めてゲームを買う
 - 漫画を買ったり、アニメのグッズを買ったりする
 
こうした内容がほとんどでした。
どの子も学校で使うようなもの
- 文房具類
 - 参考書類
 - 洋服
 - 部活用品
 
などはお小遣いからではなく、ご家庭で購入してもらっていることが多かったです。
しかし、文房具や洋服などで必要かどうか悩むものに関しては、子どものお小遣いから買ってもらうというご家庭も少なくありません。

では、いざ子どもにお小遣いを渡す時に不安なことはどんなことがあるでしょうか?
子どもにお小遣いを渡す時に不安なこと
お小遣いは少額とはいえ現金を子どもに渡すため、不安を感じるママも少なくありません。
「うちの子は渡したらあっという間に使ってしまって、すぐに追加のお小遣いを要求してきそう」
このような不安の声を聞く機会もよくあります。
特に、ADHDやASDといった発達障害の特性を持つ子どものママからこうした声を数多く聞いてきました。
- 欲しいと思ったら衝動的に買い物をしてしまう
 - 楽しいことが大好きで、ゲームセンターのメダルゲームに使い込んでしまう
 - お小遣い帳を付けようと思っても、習慣にするまで時間がかかりすぐに忘れてしまう
 

- 一度アニメなどにハマるとグッズをすべて集めたくなり、お小遣いをすべてグッズに使ってしまう
 - 友達から頼まれるとすぐにお金を貸したり、おごってあげたりしてしまう
 - 先の見通しを立てるのが苦手で、計画的にお小遣いを使うことができない
 

こうしたお金の使い方に関する不安が発達障害の子どもを持つママには少なからずあります。
では、こうした不安を解消するためにご家庭でできることはどのようなものがあるのでしょうか。
子どもの特性に合わせたお小遣いの使い方
子どもにお小遣いを渡した後の使い方の不安には、
- 衝動的に使ってしまわないか
 - 友達と金銭のやり取りをしてしまわないか
 
この2点が特に多いのではないでしょうか。
①衝動的に使わないかの不安への対処法
子ども自身が、
「自分は衝動買いをしてしまう」
という認識があるかないかでも対応が変わってきます。
衝動買いをしてしまう認識がなければ、まず衝動買いが多いことを自覚してもらうところから始めます。
自覚が出てきたらそこで初めてお金の使い方のルールが確認できるようになります。
- お金を使いたくなる場面はどんな時か
 - お金が必要な場面はどんな時か
 - その場面ではいくらぐらいのお金を持っているといいのか
 - そのお金を残しておくために気を付けた方がいいことはどんなことがあるか
 
こうしたポイントに沿って子どもと話していくことで、自分が実際にお金を必要とする場面でお金が使えているかを整理することが大切です。

話を進めていく中で子どもの方から、
「こうしてみようかな」
という話が出てきたら、ちょっと変だなと思ってもまずはやらせてみることも必要です。
子ども自身の試行錯誤の中で、見つけられた対処法は子どもの実感を伴ったものになるので本人の納得感が強く得られておすすめです。
もし、子ども自身がどうしたらいいのかわからないと話してきた時には、
- 友達と遊ぶ時に買い食いをしたいのであれば、それ以外の時にはお金を持ち歩かない
 - 1回に使うお金が大体どれぐらいかわかれば、それより多い金額は持ち歩かない
 
こうした方法もあるよと伝えていただくのもいいと思います。
必要な時以外お金を持ち歩かないようにしておければ、衝動的に欲しいと感じてもその場で買うことができず買い物を保留にすることができます。

②友達との金銭トラブルの不安への対処法
子どもがお小遣いを持つようになって、時折聞くのが友達との間でのお金の貸し借り等による金銭トラブルの話です。
- お金を持っている友達から無理やり借りてしまう
 - お店で欲しいものが見つかった時に、お金を持っていなくて万引きをしてしまう
 

- 友達からお金を持ってこないと遊ばないと言われたので、言われるがままにお金を持っていってしまう
 - 友達が喜んでくれるからと、毎回ジュースやお菓子をおごってしまう
 

こうした金銭トラブルの話は今までも少なからず聞いてきました。
「お金の使い方」は、各家庭によっても方針が違うためトラブルになりやすいポイントでもあります。
そのため、ご家庭でのルールを明確にしたうえで、親子のコミュニケーションを重ねていくことが金銭トラブルを防ぐためにも重要です。
子どもが金銭トラブルに遭った場合に、隠さずに話してくれるような関係性を普段から築くことができていると、トラブルの被害もそこまで大きくならずに解決に至ることができます。
これまでの相談の中でも、ご家庭内でのコミュニケーションがしっかりと取れている子どもは金銭トラブルがあった時にも素直に助けを求めることができていました。
子ども自身も「悪いことをしてしまった」という罪悪感があるからこそ、普段のコミュニケーションの在り方によっても話しやすさが変わってきます。

ご家庭内でいくらお小遣いのルールを明確に決めていても、金銭トラブルを0にすることはとても難しいことです。
子ども自身がお金について学ぶことによって、お金の大切さがわかるようになることもあるため、
 
この本のセットでお金についての基礎知識を学ぶのもおすすめです。
この本では、それぞれお金でどんなことができるかやお金の豆知識、お金を稼ぐための方法などをマンガでわかりやすく解説してあります。
「学校で教えてくれない大切なこと」シリーズは、私が勤務している学校の通級指導教室でもよく活用されていて、視覚的に情報を取り入れることが得意な子にはとてもわかりやすいものとなっています。
そのほか、
 
この本では、 「おこづかい制度のはじめ方」や「貯金の教え方」など実践的なお金のルールをマンガも取り入れながらわかりやすく解説してくれています。
「これからお小遣いを始めてみようかな」
というご家庭は、まずこの本を読んでからお小遣いのルール作り等をしていただくのもいいのではないでしょうか。
おわりに
今回は、今までの相談の中でよく出てきたお小遣いのお悩みについてお話していきました。
GWがあるこの時期は、友達と遊びに行く約束してお金を使う機会が多くなる時期でもあります。
気持ちが上向きになって、普段よりもトラブルが起こりやすい時期でもあるので、ご家庭でももう一度お金のルールをお話していただくのをおすすめします。
今回も読んでいただきありがとうございました。








