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現役スクールカウンセラーの子育て応援ブログ
子どもの心と行動のサポート

季節の変わり目に子どもが不調に?原因と保護者ができるサポート方法

  • 最近、朝なかなか起きられない
  • 学校に行きたがらない日が増えた
  • イライラしやすくなった気がする

こうした子どもたちの変化が、ちょうど季節の変わり目に重なることは珍しくありません。

特に秋は日照時間が急に短くなり、昼夜の気温差も大きいため、子どもの心と体に負担がかかりやすい時期です。

そこで今回は、季節の変わり目が子どもの不調にどう影響するのかについてお話していきます。

季節の変わり目に起こりやすい子どもの変化

朝晩の気温差が大きく、夏に比べて日照時間が少しずつ短くなってくるこの時期、こんな子どもの変化が見られます。

季節の変わり目の子どもの変化
  • 睡眠リズムの乱れ

夏休みに生活のリズムが乱れ、夏休みが明けても以前の生活に戻れなくなってしまう

  • 自律神経の乱れ

頭痛やめまい、腹痛などの訴えはあるが、病院を受診しても身体に問題はないと言われる

  • 気分の落ち込み

なんとなく気分が落ち込んでいて、友達と遊ぶのも億劫がるようになる

季節の変わり目とメンタルの不調にはどんな関係がある?

日照時間と気分の関係

厚生労働省の資料によると、日照時間の減少はセロトニンの分泌低下につながり、気分の落ち込みや意欲低下を引き起こしやすいとされています。

特に秋から冬にかけては「季節性うつ病(SAD)」が増えます。

これは大人だけでなく子どもにも当てはまり、朝起きられない・元気が出ないといった症状が季節の変わり目に増える背景になっています。

季節の変わり目が登校に与える影響

文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和5年度)では、

  • 小中学生の不登校児童生徒数は過去最多(約29万人)
  • 不登校の理由の多くに「無気力」「不安」「体調不良」が含まれる

という結果が出ています。

特に 2学期(9〜10月頃)に欠席が増える傾向 があり、季節の変わり目が影響していることがうかがえます。

自律神経の乱れと体調不良

国立精神・神経医療研究センターの研究では、自律神経の乱れは頭痛・腹痛・倦怠感など身体症状として現れやすいことが示されています。

これはいわゆる「起立性調節障害」や「心身症」にもつながる症状で、決して怠けや気持ちの弱さではありません。

学校現場での傾向

学校現場の調査によると、保健室利用が増える時期は9〜10月、そして3〜4月に集中しています。

これは「季節の変わり目」や「学期の切り替え」と一致しており、気候や環境の変化が子どもの心身に大きく影響していることを裏付けています。

  • 季節の変わり目の不調は「特別な子だけ」に起こるものではなく、誰にでも起こりうる一般的な現象
  • 「うちの子だけおかしいのでは?」と悩まないこと
  • 早めに学校や専門機関に相談すること

こうしたポイントを意識しておくことが子どもを守る第一歩になります

保護者向けチェックリスト

✅ サインを見逃さない
  • □朝起きられない日が2週間以上続いていないか
  • □頭痛や腹痛を頻繁に訴えていないか
  • □笑顔や楽しみが減っていないか
  • □イライラや落ち込みが目立っていないか

✅ 家庭での工夫

  • □朝はカーテンを開けて自然光を浴びさせている
  • □寝る前のスマホ・ゲーム時間を制限している
  • □朝食をしっかり食べる習慣をつけている
  • □軽い運動や散歩を取り入れている

✅ 声かけの工夫

  • □「怠けている」と決めつない
  • □気持ちをそのまま受け止めて声をかけている
  • □学校への参加を「全部」ではなく「できる範囲」で考えている

✅ 学校・専門機関との連携

  • □担任に家庭での様子を具体的に伝えている
  • □保健室登校や別室登校など柔軟な方法を検討している
  • □必要に応じてスクールカウンセラーに相談している
  • □不調が長引くときは医療機関につなげることを考えている

Q&A:保護者からよくある質問

Q1.

朝になると頭が痛いと言って休みたがります。本当に病気でしょうか?

A. 季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、体調不良として「頭痛・腹痛」といった症状が現れることがあります。

検査をしても異常が見つからないケースは少なくありません。

ただし、すべてが心因性とは限らないので、まずは小児科で身体疾患の有無を確認し、そのうえで必要なら学校のスクールカウンセラーや心療内科に相談すると安心です。

Q2.

休ませたらサボり癖がつくのでは?

A. 休ませることはサボりではなく、回復のための時間です。

無理に行かせても不調が悪化し、かえって長期欠席につながる場合もあります。

大切なのは「休む=悪いこと」ではなく、「休んで整えて、また少しずつ戻る」という視点を持つことです。

Q3.

学校に行かない日があると、勉強の遅れが心配です

A. こうした親の不安はもっともです。

しかし、この時期の不調は勉強よりもまず心と体の安定を優先することが大切です。

学校と連携して、宿題や課題を「少しだけやる」「できる範囲だけ持って帰る」といった調整が可能です。

学習の遅れは後からでも取り戻せますが、不調を放置すると不登校やうつ症状に発展するリスクがあります。

Q4.

学校にはどの程度まで相談していいのでしょうか?

A. 親が思っている以上に、学校は情報を欲しがっています。

「朝は頭痛を訴えるが午後は元気」など、具体的な様子を伝えると先生方も対応しやすくなります。

また、『全部参加』にこだわらず『一部だけ参加』や『保健室で過ごす』といった柔軟な対応をお願いすることも有効です。

Q5.

子どもが『死にたい』と言いました。どう対応したらいいですか?

A. 親としては非常に動揺する言葉だと思います。

まず大切なのは、否定せずに受け止めることです


「そんなこと言わないの!」
「そんなにしんどいんだね。話してくれてありがとう」


そして、一人で抱え込まず、すぐに専門機関に相談することが重要です。

学校のスクールカウンセラーや地域の相談窓口、小児科・心療内科への受診をためらわないでください。


Q6.

下のきょうだいと比べてしまいます。どうしたらいいですか?

A. 「お姉ちゃんは元気に行っているのに…」と比較したくなるのは自然な気持ちですが、子どもにとっては大きなプレッシャーになります。

きょうだいそれぞれに合ったリズムがあると捉え、「その子のペース」を尊重する声かけに切り替えることが大切です。

おわりに

季節の変わり目は、大人でも体調や気分が揺らぐ時期です。

大人でも不調を感じるということは、子どもにとってはなおさら大きな負担になります。

こうした子ども達の変化を、「怠け」「わがまま」と切り捨てずに、家庭でどうサポートしていくかを意識することで、不調を長引かせずにサポートすることができます。

家庭だけでの対応に難しさを感じたら、ぜひお近くのスクールカウンセラーに相談してみてください。

今回も読んでいただきありがとうございました。

※この記事には一部生成AIの文章が使われています。