6月に入り、学校生活に慣れてきたお子さんも多いのではないでしょうか。
そのような状況で、「新しいクラスに馴染めない」や「学校生活に疲れてしまった」というお子さんもいると思います。
そこで、今回は主に小学校で行われる、登校を渋る子どもや不登校の子どもが、再度楽しく登校できるような支援について、私の経験を元にお話ししていきます。
登校支援ってどんなもの?
登校支援とは、子どもが「何で学校に行きたくなくなるのかな?」ということを整理していき、原因を少しでも解消できるように働きかけることを言います。
学校に行きたくない理由も、
- 友達ができなくて楽しくない
- 勉強がわからないから行きたくない
- 運動会などの行事が嫌
- 先生が怖くて教室に入れない
など、さまざまなものがあります。
そんなさまざまな原因に対して、先生たちが対処したり、安心して来られる居場所づくりを行ったりします。

では、実際にどんな支援があるのでしょうか。
実際に、どんなことをやっているの?
学校によって支援の方法はさまざまですが、よく見られるものは
- 門タッチから始めるなど段階的な登校
- 保健室登校 or 別室登校
- 放課後登校
- 好きな授業や行事の時だけ登校
などがあります。
門タッチなどの段階的な登校
小学校の低学年や学校への不安が強い子どもに対してよく使われます。
まずは、学校という建物に慣れてもらうために、少しずつ学校に近づいていくことを段階的なステップで行っていきます。
お子さんの状態によって、スタート地点はさまざまですが
- 家の近くの電信柱にタッチ
- 学校の近くの電信柱にタッチ
- 校門にタッチ
- 校門近くに立っている先生にタッチ
- 昇降口まで行ってみる
- 自分の下駄箱に靴を入れてみる
- 教室の近くの階段まで行ってみる
- 教室の前の廊下まで行ってみる
- 教室の前で先生とタッチ
- 教室の入り口から中を覗いてみる
- 教室の入り口から友達とおしゃべりしてみる
- 席を入り口付近にしてもらって、少しだけ座ってみる
- 教室に入ってみる
このような段階を踏んでいきます。
これらの段階はスムーズに行く方が珍しく、ほとんどが行ったり来たりを繰り返します。
子どもの状態に応じては、いきなり段階を飛ばすこともあるかもしれませんが、基本的にはあまり段階を飛ばすことなく少しずつ進めていくことが、子どもの負担も少なく済むと思います。

保健室登校 or 別室登校
段階的に登校していき、学校に慣れてきた子どもが次に行うのが、保健室登校や別室登校です。
「ここなら安心」という場所を学校の中で見つけて、そこで過ごすことによって学校での生活に慣れていく方法です。
保健室や別室にいる時には、ママと一緒にいたり一人でいたりとさまざまです。一人でいる場合には、時々空き時間の先生や養護の先生が子どもの様子を見に来てくれます。
活動内容も、
- 図書室で借りてきた本を読む
- 先生からもらったプリントをやる
- 漢字や計算のドリルをやる
- 図工の作品を作る
- 給食を食べる
など、子どもの希望によって選んでいきます。
場合によっては、自分だけの時間割を作って過ごす子どももいます。
保健室や別室での登校でも、子どもの希望があれば友達との交流も可能です。
業間休み(地域によっては中休み)や昼休みなどに、友達に保健室や別室まで来てもらったり、外で一緒に遊んだりしている子どももいます。
こういう活動を続けていくうちに、学校で生活することに慣れていけるようになります。
このブログの中で、別室登校についてまとめた記事もあるのでそちらも読んでみてください。

放課後登校
「友達に会いたくない」や「大人数の子がいる中では行けない」という気持ちがある子どもは、放課後登校を選択する場合が多いです。
先生と1対1なら会ってもいいよ、という気持ちになってきた時に、この方法にチャレンジしてみます。
放課後、先生と会って何をするのかというと
- 一緒に勉強をする
- 一緒にゲームをする
- 宿題のやり取りをする
などがあります。
先生によって取り組みの仕方はさまざまですが、子どもと一緒に活動できる時間を共有しよう、という思いは共通だと思います。
なので、先生とも相談しながら、放課後登校の方法を模索してみるのもいいかもしれません。

好きな授業や行事の時だけ登校
学校生活にも慣れて、教室の中に入ってみようかな、という気持ちが出てきた子どもが、自分で出られる授業を選んでやってみます。
「図工の授業なら参加できそう」や「体育はバスケだからやりたいな」、「遠足の班決めは自分で決めたい」というような形で選んでいきます。
また、遠足や宿泊学習など非日常的な行事は、子どもたちにとってもワクワクするようなものが多く、「行ってみたい」が出てきやすいものでもあります。
なので、どのようにしたら参加できそうかを、先生と一緒に相談しながら考えていくのもいいと思います。

おわりに
今回は、小学校で行われる登校支援についてお話ししていきました。
学校の状況や子どもの状態によって、取り組みの仕方はさまざまですが、今回の内容を参考にしていただくのもいいのではないでしょうか。
私のところに、相談に来てくれた子どもの中にも、別室に登校して教室復帰をした子、行事参加から少しずつ教室復帰をした子、などさまざまな事例があります。
どの子どもも同じような経過を辿るというわけではなく、みんなそれぞれに葛藤しながら取り組んでいきました。
子どもとママと先生、みんなで協力していきながら登校復帰を目指していく。
その仲間にスクールカウンセラーもいれていただけたら、私としては非常に嬉しいです。
いろんな意見や方法を取り入れながら、子どもにとってベストな選択ができるように一緒に考えていけたらな、と思っています。
今回も読んでいただきありがとうございました。
もし、読んでくれたママで「こんなことが聞きたい」ということがありましたら、ぜひコメントをお待ちしています。








