学校での相談の中で、特性のある子どもを持つ親から時折
こうした話を聞くことがあります。
合理的配慮を受けることで、何かしらのデメリットがあるのではないかと心配になる親も少なくありません。
そこで今回は、学校で子どもの「困った」を支援する合理的配慮についてお話ししていきます。
そもそも合理的配慮って何?
障害がある人の人権が障害がない人と同じように保障されて、教育や就業などの社会生活で平等に参加できるよう、それぞれの特性や困りごとに合わせて行われる配慮
具体的に、文部科学省では小・中学校で行う合理的配慮について
- 教員や支援員等の確保
- 施設や設備の整備
- 個別の支援計画や指導計画に対応した教育課程の編成や教材等の配慮
このように定めています。
学校によって教員の数や設備等に違いがあるため、それぞれの学校によってできる合理的配慮も異なります。
なので、
「隣の学校では配慮してもらえているのに、うちの学校ではしてもらえない」
こうしたことが時折見受けられます。
そのため、自分の学校ではどんな合理的配慮が得られるのかをしっかりと確認していく必要があります。

では、子どものどんな「困った」に合理的配慮を求めていくのでしょうか。
学校で見られる子どもの「困った」はどんなもの?
学校の中のさまざまな場面で、特性のある子どもの「困った」が見られます。
- 集中力が続かない
- 書くことが苦手
- 先生の話を聞けない など
- 片付けが苦手
- 遊びのルールが守れない
- 会話が一方的でコミュニケーションが取りにくい など
- 偏食があり、給食が苦手
- 大きい音や騒がしい雰囲気が苦手
- 見通しがもてないと不安 など

こうしたそれぞれの子どもの「困った」に対して、学校ではどのような合理的配慮ができるのでしょうか。
学校での合理的配慮はどんなもの?
上記のような子どもの「困った」に、学校ではどのような合理的配慮をしていくのかというと、
- 集中力が続かない子の席配置を担任の近くにする
- 書くことが苦手な子どもの書く量を調整したり、タブレットなどの道具を取り入れたりする
- 先生の話を聞き取りにくい子のために、指示を板書する など
- 片づけが苦手な子に、写真などで物の配置をわかりやすくする
- 遊びのルールが守れない子に、絵などでルールを確認できるツールを作る
- コミュニケーションが苦手な子に、話す場面や内容をわかりやすく設定する など
- 給食が苦手な子に、無理な完食指導をしないことやお弁当の持ち込みを許可する
- 大きい音が苦手な子に、運動会のピストル音をホイッスルに変える
- 見通しが持てなくて不安な子に、視覚的にスケジュールを確認できる予定表を作る など
こうした合理的配慮が考えられます。
あくまでも例になるので、必ずしもどこの学校でもこうした合理的配慮が得られるわけではありません。
しかし、こんなものがあると知っていると先生にも相談しやすくなるかと思います。

では、学校に合理的配慮をお願いする時に注意した方がいいことはあるのでしょうか。
学校に合理的配慮をお願いする時に注意すること
合理的配慮は、学校に過度な負担を求めるような支援をお願いすることはできません。
たとえば、
- 障害のある子どものために、専属の教師を入れる
- 子どもが個別に使える新しい教室を作る
こうしたことは学校での対応は難しいです。
保育園や幼稚園では、障害のある子どもに対して加配の先生を付けることができるため、小学校でも同じように加配の先生を付けてもらえると考えている親も少なくありません。
しかし、小学校では年度が始まる前の生徒の数で教職員の数が決まるため、急に支援員を補充することは基本的には難しいです。
学校によっては、大学生のボランティアや特別教育支援員がいて、その人たちに支援をお願いすることもありますが、必ずしもすべての学校に十分な人員がいるわけではありません。
そのため、その学校でできる範囲での合理的配慮になります。
どうしても不公平な印象を受けてしまうかもしれませんが、現在の学校の状況ではすべての要望をかなえてあげることが難しいのが実情です。

自分の学校では、どのような合理的配慮が得られるのか知りたい場合には、担任の先生に確認してみるのもおすすめです。
先生に相談して断られるかもしれないという心配がある親は、学校のスクールカウンセラーに相談してみるのもいいかもしれません。
おわりに
今回は、学校での合理的配慮についてお話ししていきました。
学校によって対応に差があるため、ママ達もどんなことがお願いできるかわからずに悩んでしまうという話もよく聞きます。
子ども達それぞれに合った合理的配慮はマニュアルがあるわけではなく、一人ひとりオーダーメイドのような形で行われます。
少しでも子どもの「困った」が見られたら、スクールカウンセラーにお気軽に相談してみてください。
今回も読んでいただきありがとうございました。









