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発達

不登校やひきこもりの原因に!?発達障害の「二次障害」ってどんなもの?

普段、スクールカウンセラーとして相談を受ける中で、不登校やひきこもりの相談を受ける機会が数多くあります。

そうした不登校やひきこもりの背景に、発達の特性による困難さがきっかけになっているものも少なくありません。

そこで、今回は不登校やひきこもりの原因にもつながる発達障害の「二次障害」についてお話ししていきます。

そもそも二次障害って何?

発達障害にはさまざまな特性があり、そうした特性によって人間関係や日常生活などの場面で問題が起こることがあります。

こうした問題は、発達障害の一次的な問題と言えます。

その一方で、特性によって子ども自身が感じるストレスや嫌な出来事に対するトラウマなどがきっかけとなって起こる二次的な問題を二次障害と言います。

二次障害で現れる症状は、

  • 身体的症状:頭痛・腹痛・過呼吸・食欲低下 など
  • 行動の症状:不登校・ひきこもり・強い反抗・家庭内暴力 など
  • 精神的症状:無気力・抑うつ・対人不安・緊張 など
  • その他  :チック・抜毛・爪噛み など

のようなものが見られます。

普段の子どもの様子を見守って、こうした症状が出ていないかを確認してみるのもおすすめです。

なんで二次障害が出てくるの?

二次障害は、特性からくるさまざまな問題によって子ども達の自己肯定感が下がることによって起こります。

二次障害が出てくるまでには、子どもの周りを取り巻く環境の影響がとても大きいです。

  • 発達障害の特性への理解が得られない
  • 周囲のサポート体制が整っていない
  • 生活習慣が乱れている
  • 家族関係があまりよくない

こうした要因が、発達障害の二次障害につながります。

二次障害を起こさせないためにも、周囲の大人が子どもを理解してサポートすることが大切!

二次障害に気づくポイントはあるの?

特性によって失敗や挫折体験を繰り返すことによって、二次障害は引き起こされます。

なので、子どもの小さな変化=二次障害のサイン、という視点で子どもの日々の様子を見守ることが大切です。

具体的には、

  • 睡眠の変化(眠れない・起きられない)
  • 意欲や集中力が低下する
  • 以前よりも怒りっぽくなった
  • 「どうせ自分なんか…」のような言葉が出てきた
  • 学校に行くのを嫌がる
  • 友達とのかかわりが減った

のような行動が見られた時は要注意です。

二次障害を防ぐためのポイントは?

学校や家庭などの子どもを取り巻く環境や人間関係によって二次障害は引き起こされます。

なので、二次障害を防ぐためには周囲の大人が子どもの特性を理解した上で、

  1. 生活支援
  2. 学習支援

を行っていくことが重要です。

①生活支援

発達障害の特性のある子どもは、生活習慣が乱れやすくなりがちです。

ご家庭では、

  • 身だしなみの整え方
  • 時間の使い方
  • 整理整頓の仕方
  • 生活に必要なルールやマナー

を意識してサポートしていただくのがいいと思います。

人との関係を築いていく中で、身だしなみやマナーはとても大切です。

こうした部分をご家庭でフォローできると、子どもにとっても失敗につながる危険性が減ります。

②学習支援

特性のある子どもの場合、興味の有無がはっきりしている、集中力が続かないなどの課題が出てきて思うように学習が進まないことがあります。

そうした時に、

  • どこにつまずいているかを確認する
  • 得意科目を見つける
  • 学習支援グッズを使う
  • 親以外のサポートを探す

のような支援方法がいいのではないでしょうか。

特に、学習支援グッズを有効活用することによって、子どもが学習しやすい環境を整えやすくなるのでおすすめです。

最近では、小学校でもタブレット端末を使っての学習が取り入れられているので、特性のある子どもにとっても学びやすくなっているかもしれません。

もし子どもが二次障害になったらどうしたらいいの?

もしも子どもの様子を見ていて二次障害かもしれないと感じた場合には、

  • 支援機関(地域の教育相談センター、児童相談所など)
  • 学校
  • 医療機関

に相談していただくといいと思います。

相談していく中で、子どもにとって適切な支援方法を一緒に考えていきながら、少しずつ子どもの環境を変えていくことが二次障害を改善していく上でとても大切です。

ご家庭のサポートだけではなく、学校などにも協力してもらうことでより子どもにとって過ごしやすい環境を作りやすくなります。

おわりに

今回は発達障害の二次障害についてお話ししていきました。

特性のある子どもは、どうしても日々の生活の中で困難さを感じることが多くなりがちです。

その時の周囲の反応によって、子どもの心身にいい影響も悪い影響もどちらも与えます。

なるべくなら悪い影響は与えたくないと思いながらも、日々の生活の中で難しい場面もあるのではないでしょうか。

そうした時には、信頼できる人に相談しながら少しでも負担を減らしていくことが、子どもとママにとってもいいと思います。

学校生活のサポートを考えるためにも、スクールカウンセラーに相談していただくのもおすすめです。

今回も読んでいただきありがとうございました。