普段の相談の中で、
- 「子どもとの会話が何だかかみ合わない時がある」
- 「相手がどう感じるかを考えずに、言葉を発してしまいトラブルになる」
- 「冗談を真に受けすぎてしまって、怒りっぽいのが気になる」
のような話を聞く機会があります。
そうした話の時に、
「もしかしてうちの子ってアスペルガーですか」
という質問もよく出てきます。
そこで今回は、アスペルガー症候群についてお話ししていきます。
Contents
アスペルガー症候群ってどんなもの?
アスペルガー症候群とは、自閉症を中心とした自閉症スペクトラム(ASD)と呼ばれる障害に含まれるものです。
自閉症とよく似た特徴が見られますが、ことばの発達や知的に遅れが見られないのが特徴です。
アスペルガー症候群の子どもは、ことばの遅れもなく、話し好きな子も多いためコミュニケーションの問題がないように誤解されやすいです。
しかし、実際には
- TPOを考えずに自分の話したいことを一方的に話してしまう
- 思ったことを正直に話し過ぎてしまい、相手を怒らせてしまう
のような、ことばを使ってのコミュニケーションがうまくできないことが数多く見受けられます。
それ以外にも、自閉症と同じように興味・関心の対象が狭いため、特定のものへのこだわりが強くなってしまうのもアスペルガー症候群の特徴といえます。

| ことば | 発語の時期は遅くても、話し始めると通常 |
|---|---|
| コミュニケーション | 表面上は問題がないように見られる |
| 友達関係 | 相手の気持ちがわからず、トラブルになってしまうこともある |
| 学力 | 知的な遅れもなく、比較的勉強ができる |
| こだわり | 特定のものに興味・関心が強く、大人顔負けの知識を持つこともある |
では、アスペルガー症候群の原因はどのようなものがあるのでしょうか?
アスペルガー症候群の原因とは?
アスペルガー症候群は、親や親族にアスペルガー症候群の人がいると、子どももアスペルガー症候群になりやすいことがわかっています。
このことから、何らかの遺伝要因が影響していると考えられていますが、私たちの想像する遺伝といえるほどの強い関連性は見られません。
アスペルガー症候群には、特定の脳の働きが通常よりも活動が鈍くなっている部分があります。
具体的には、
- 人の顔に関心を持って、表情を読み取ろうとする働き
- 相手の立場に立って物事を考えたり、作業を行うために必要な情報を記憶したりする働き
- 必要な情報といらない情報を選ぶ働き
- 不安や恐怖などの感情をコントロールする働き
の働きが通常よりも鈍くなっています。
こうした脳の働き方によって、いわゆる「空気が読めない」状態になってしまうのが、アスペルガー症候群の特徴ともいえます。

では、具体的にアスペルガー症候群にはどのような特徴があるのでしょうか?
アスペルガー症候群の特徴はどんなものがあるの?
アスペルガー症候群はことばの遅れがないので、コミュニケーションに問題がないように誤解されやすいです。
しかし、相手の気持ちを察することが難しかったり、比喩表現が理解できなかったりとコミュニケーションに苦しむことが少なくありません。
アスペルガー症候群の特徴として、
- 相手の感情を表情から読み取れない
- 子どもなのに大人びた話し方をする
- 比喩表現や皮肉がわからず、言葉通りに受け止める
- 特定のものへの興味・関心が強い
- 身体の使い方が不器用
- 時系列に沿って物事をとらえることが苦手
のようなものが見られます。
これらすべてがアスペルガー症候群に当てはまるわけではありませんが、おおよその目安として参考にしていただければと思います。

では、子どもにこうした特徴が見られた時に、どこに相談に行けばいいのでしょうか。
アスペルガー症候群の相談先はどこ?
子どもがアスペルガー症候群かどうかを診断してもらうためには、
発達障害に詳しい
- 児童精神科医
- 小児神経科医
を受診していただくのがいいと思います。
大人向けの精神科医でも見ていただくことは可能ですが、子どもを専門としている医師の方がより的確な診断をしてもらえます。
診断まではしなくてもいいので、どのように子どもに対応していけばいいのかを相談したい場合には、
- 地域の教育相談センター
- 地域の子育て相談窓口
- スクールカウンセラー
に相談していただくのがいいと思います。
こうした専門機関に相談していただくことによって、子どもに合わせた支援の方法を一緒に考えてもらえるので、ママ達の負担も少し軽減されるのではないでしょうか。

では、実際にアスペルガー症候群にはどのように対応していけばいいのでしょうか。
アスペルガー症候群への対応の仕方
アスペルガー症候群は、脳の働き方が通常と異なっていることが原因となっているため、直接的な治療方法は確立されていません。
しかし、子どもがどんなことに困っているかを見極めることによって、対処の仕方を身に付けさせてあげることができます。
子どもに合った対処の仕方が身に付くと、大人になった時にも自分なりに工夫して困難に立ち向かえるようになります。
中には、アスペルガー症候群に気づかれないまま大人になってしまい、
- 社交辞令を真に受けてしまい、相手に迷惑をかけてしまった
- 思ったことをそのまま口に出してしまい、相手を傷つけてしまった
のようなトラブルを多く起こし、うまく人間関係を築けない人もいます。
こうした事態にならないためにも、早い時期にアスペルガー症候群の特性に合わせた支援を行うことがとても大切です。

具体的には、
- どのように他人と折り合いをつけていくのか
- どういった言葉を使うと相手を傷つけてしまうのか
- どのような場面で、どのように行動すれば相手を怒らせないのか
こういった具体的な場面を想定しながらひとつひとつ覚えていく作業が、アスペルガー症候群の支援には必要です。
「これぐらい言わなくても、自分で勝手に覚えるでしょ」
といった思い込みは、子どもだけでなく周囲の人も傷つきかねません。
なので、ひとつひとつのつまずきに対して、どんな風に行動すればいいのかを子どもに合わせて教えてあげることがアスペルガー症候群の子どもには必要になってきます。
もし、どのように教えたらいいのかわからない、といったことがありましたらお近くのスクールカウンセラーに相談していただくのがおすすめです。

おわりに
今回はアスペルガー症候群についてお話ししていきました。
普段の相談の中でも、アスペルガー症候群と診断はついていなくても、近しい特徴を持っている子どもの相談を受けることが時折あります。
特に言葉でのコミュニケーションがメインとなってくる、小学校3年生以降からトラブルの数がグッと増えてくるのが実情です。
できればトラブルになる前に対処をしてあげたいのですが、なかなかトラブルにならないと問題が見えにくい場合もあります。
なので、できる限り子どもの自信をなくさないようにフォローできるよう、普段の相談の中では心がけています。
トラブルが起きても、
「これで対応マニュアルに載せられる例が増えた」
と思えるようなフォローができるように、日々奮闘している毎日です。
今回も読んでいただきありがとうございました。








