今回は、前回に引き続き、中学生の不登校のお子さんが昼夜逆転になったときに、どうすればいいのかについてお話ししていきます。
前回は、なぜ昼夜逆転になってしまうのかについてお話ししてきましたが、今回の内容は、昼夜逆転生活の改善に向けてできることについてです。
昼夜逆転生活を改善するためにできること
昼夜逆転生活をすぐに改善しようとするのは難しいと思います。
お子さん自身が、ゆっくりと休んで自分から「やってみよう」というエネルギーが貯まったときにできる、いくつかの例を挙げていきます。
- 昼間にできること探し
- いろいろな活動にチャレンジしてみる
- 睡眠時間などを表にまとめてみる
昼間にできること
不登校のお子さんの場合、「学校に行くために昼夜逆転生活を改善する」というのは、モチベーションが上がりにくいです。
なので、目的を「学校へ行く」ということではなく、「日中に楽しめる活動をする」というところにしていただくのがいいと思います。
「好きなアニメのイベントに行く」、「今日、公開の映画を見に行く」、「自分の部屋を片付ける」など、自分にとって興味があるものから始めると、やりやすいのではないでしょうか。
実際に、私のところに相談に来てくれたお子さんの中にも、「アニメのイベントがあるから、朝早くに起きて電車に乗って出かけた」や「絵を描くのに必要な材料を買いに行く」など、昼間にやってみたいと思う活動を上手に見つけてくる子が多かったです。
いろいろな活動にチャレンジしてみる
日中に、適度な活動を取り入れると、夜眠りにつきやすくなります。
日中に楽しめる活動をしていくうちに、お子さんの意欲が高まってくるタイミングがあると思います。
意欲が高まってきたから、といきなり登校に繋げるのはハードルが高すぎます。
なので、お子さんが興味を持てそうな活動に少しずつ誘っていただくのもいいと思います。
お子さんたちが取り組みやすい活動としては
- ジグソーパズルを作る
- 料理・お菓子を作る
- 散歩をする
- 家の中のお手伝いをする
というものが、私のところに相談に来てくれたお子さんがよくやっています。
よく、ママたちから「中学生になってから、うちの子が何に興味があるかわからない」という言葉が出てきます。
中学生になってからのお子さんの興味も大事ですが、それ以前の小学生の時にハマっていたことなどにもヒントが隠されているかもしれません。
なので、些細なことでもいいので、ヒントがどこかに隠れてないかな、と意識していただくといいと思います。
睡眠時間などを表にまとめてみる
昼夜逆転生活をしているお子さんは、自分が昼夜逆転生活をしていることはわかっているものの、実際に何時に寝て、何時に寝ているのかを把握していないことが多いです。
自分自身が、普段、どのような生活をしているかを把握することによって、どこに問題があって、どこから改善していけるかが見通せるようになります。
一足飛びで寝る時間を前倒しにすることはできません。
なので、上記の日中の活動を取り入れることと同時進行で進めていく必要があります。
また、睡眠時間を表にまとめておくと、病院を受診しようとなった際にも参考資料として活躍します。
書き方もタイムスケジュール表のようにまとめていただくと一番わかりやすいですが、カレンダーなどに簡単に時間だけ記入する形式でも傾向は見えてくると思います。
ママたちが心がけることはある?
お子さんが不登校になり、昼夜逆転生活をしていると不安が高まってくると思います。
その不安をそのままお子さんにぶつけると、お子さんとの関係も悪化し、ご家庭内の空気も悪くなってしまいます。
なので、ママたちに心がけてほしいポイントとしては
- お子さんのありのままの状態を受け入れる
- いつでも見守っているというメッセージを送る
- 日中の活動をサポートする
の3つです。
お子さん自身、不登校になった自分を一番責めています。
「自分は家族に迷惑をかけている」、「自分はダメな奴だ」、「自分なんていなければ」という、思いを胸に抱えているお子さんも少なくありません。
ママたちには、そんなお子さんの不安をできる限り支えてもらえたら、という思いで上記のポイントを挙げました。
お子さんたちからも、ママたちにどんな風にしてほしいか聞いた際に、「今の自分の状態を受け入れてほしい」という願いがよく出てきます。

おわりに
今回は、中学生の不登校のお子さんが昼夜逆転生活になった時の改善方法についてお話ししていきました。
不登校のお子さんを支えるためには、ママのサポートが必要不可欠です。
ママ自身が、ゆったりとした気持ちでお子さんと接することが、一番の治療薬でもあると言えます。
しかし、ママたちも不登校のお子さんとずっと生活をしていると、ゆったりとした気持ちを持ち続けることは難しいと思います。
そんな時には、私のようなスクールカウンセラーや専門家にお話しに来てくれると嬉しいです。
その時には、一緒に何ができるかを考えて、ママたちの負担を軽減していき、お子さんにとってもいい道筋が作れたら、というのが私の願いでもあります。
今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでもらえると嬉しいです。