すくかうぶろぐ
現役スクールカウンセラーの子育て応援ブログ
スクールカウンセラー

中学3年生で不登校、進路はどうしたらいいの?

中学校生活は3年間とあっという間です。

中でも、2年生の後半からは進路の話題が学校でも出てくるようになり、ご家庭でもどうしようか頭を悩ませるママも多いと思います。

進路のことだけでも頭を悩ませるのに、そこに子どもが不登校の状態だとなおさら不安も大きくなってしまいます。

そんなご家庭から、

「不登校の子供の場合、高校受験をどうすればいいのかわからなくて心配」

このような相談を受けることがよくあります。

そこで今回は、中学生の不登校の子どもの進路についてお話ししていきます。

そもそも不登校の中学生は受験できるの?

「不登校の子でも高校って行けますか?」

中学生の不登校のお子さんを持つママから、時々このような質問をされることがあります。

私から言えることは、

「本人の希望があれば高校は行けます」

ということです。

子ども自身が、高校に行きたいという気持ちさえあれば、不登校の子の高校進学は非現実的なものではありません。

中学生の不登校の子と話をしていても、大半の子が中学校卒業後の進路を「高校進学」と考えていることがほとんどです。

子ども自身の気持ちと現実的に通える高校を見つけられれば、中学生の不登校でも高校進学が可能なのです。

では、具体的な進学先はどのようなものがあるのでしょうか。

中学生の不登校の進学先はどんなところがあるの?

そもそもママたちが思い浮かべる高校というものは、公立の全日制の高校か私立の全日制の高校が多いのではないでしょうか。

全日制の中で普通科なのか、商業科なのか、などの区分で考えているママがほとんどだと思います。

不登校の子は、上記のような全日制の高校に行く子はあまり多くはありません。

中学生の不登校の子がどのような進路を選ぶのかというと

  • 定時制の高校
  • 通信制の高校
  • サポート校

こういった学校が、今までのケースでもよく選ばれていました。

定時制の高校はどんなところ?

定時制高校と聞くと、日中は働いて夜に通うところ、というイメージを持たれているママも多いと思います。

実際には、昼間の時間帯と夜の時間帯で分かれている、2部制の高校が多いです。

最近では、朝の時間帯にも授業枠を設置している3部制の定時制高校も出てきています。

時間帯の選べる幅が増えたことで、子どもたちの状況に応じた時間帯を選びやすくなっています。

私のところに相談に来てくれた子の中にも、定時制の高校を希望している子が何人かいます。

定時制高校に進学した子の中には、高校生活が楽しくて勉強にも意欲的に取り組み、大学の指定校推薦までもらった子もいました。

定時制高校は、基本的には卒業までに4年間の年数がかかりますが、単位制の定時制高校の場合には単位の取得方法によっては3年間での卒業も可能です。

通信制の高校はどんなところ?

通信制の高校は、通信で高校の学習を進めます。

公立でも私立でも、通信課程を設置している高校があるので、それぞれの特徴に合わせて選んでいただくのがいいと思います。

全日制も定時制もどちらも学年制というシステムで進んでいきいますが、通信制は単位制というシステムで進んでいきます。

  • 学年制

1年生、2年生、3年生と、学年に応じた授業を受ける

  • 単位制

  卒業までに必要な単位の授業を、自分のペースで受ける

単位制の授業の進め方は、大学のように自分で受ける授業を組み立てていくものをイメージしていただくといいと思います。

自分のペースで学習を進めていきたい、という思いがあるお子さんには向いているかもしれません。

しかし、通信制だからとずっと自宅学習ができるというわけではなく、年に数回スクーリングという形で、授業に参加しなければならないことが多いです。

なので、各学校のスクーリングの要件等も見ていただいて、無理なくできそうなところを選んでいただくのがいいと思います。

入学前は絶対にスクーリングには行けないと言っていた子も、3年間の学校生活を送っていくうちに、学校に行く回数が増えた子もいました。

それ以外にも、自宅で課題に取り組む時間が多くなることから、課題が締め切りまでに終わらずに苦労したという話もよく聞きました。

そうした子どもの困ったをサポートする形で次にお話しするサポート校ができました。

サポート校ってどんなところ?

サポート校という言葉を聞いたことがあるママも多いと思います。

実際にはどのようなところなのかというと、各学校でそれぞれ特色がありますが、通信制高校に通う子どもをサポートするための学校です。

通信制高校に通う子どもをサポートするという目的なので、通信制高校の費用とサポート校の費用が両方かかってしまい、金銭的な負担が大きくなってしまうことが多いです。

しかし、その分子ども一人ひとりを丁寧に見守る体制も整っていて、友達作りなどに不安を抱えている子どもに対しても、親身に対応してくれます。

また、保護者への支援も手厚く、定期的に面談してくれるなど、公立の高校では得られないサポート体制が魅力だと思います。

学校によっては、高校卒業資格が得られるところと、高卒認定試験の受験資格が得られるところという違いがあるので、その点も学校に確認していただくのがいいと思います。

おわりに

今回は、中学生の不登校の子どもの進路についてお話ししていきました。

地域によって学校の充実度などが異なるかと思いますが、おおむね今回お話しした進学先を選ぶ子どもが多いのではないでしょうか。

高校選びで何よりも大事なのは、子ども自身が行きたいと思える高校を選んでいただくことです。

そのためには、大変だとは思いますが、一緒に見学に行っていただいたり、体験授業に参加したりなど、高校生活をイメージできるようなサポートをしていただきたいです。

最近は、コロナの関係でオンラインでの学校説明会が開催されることが多くなり、不登校の子どももより学校説明会などに参加しやすくなっています。

今回はここまでです。長々と読んでいただきありがとうございました。

また次回も読んでもらえると嬉しいです。