最近、中学生の不登校の子どもの相談が増えてきています。
小学校から中学校に進学するということは、大人が想像する以上に子ども達にとって負荷が大きいものです。
「もう中学生なんだから・・・」
という言葉が家庭内や学校内でも多く聞かれるようになり、知らず知らずのうちにプレッシャーを感じている子ども達も少なくありません。
それ以外にも、定期テストに部活動、教科担任制など、中学校独自の文化に慣れるのに四苦八苦している子もいます。
そのような状況で、学校に行きたくないという思いを抱えて不登校になってしまい、私のところに相談に来ているのです。
さらに、今週から夏休みに入る学校がほとんどだと思います。
そのため、夏休み中にどのように過ごせばいいのか、ということを相談に来られる人も増えています。
そこで、今回は不登校が心配な子ども達がどのように夏休みを過ごしていけばいいのかについてお話ししていきます。
不登校の相談が多い時期はいつ?
中学生の不登校の相談は、GW明けや夏休み明けなど、長期休暇明けから増えてきます。
大人でも「五月病」という言葉があるように、GW明けからの連続欠席は、不登校の予兆でもあります。
休みが長くなる分だけ、学校に行っていた時の感覚が薄くなり、学校への不安や恐怖心が増していきます。
夏休み明けも、GW明けと同じように休み明けの登校は、学校が苦手な子ども達からすると鬼門なのです。
それ以外にも、中学3年生の受験が近づいてくる10月頃も、相談につながることが多くなってきます。
長期休暇はどんな風に過ごしたらいいの?
長期休暇明けは、不登校の子ども達にとって、ピンチでもありチャンスでもあります。
「また、学校が始まってしまう」
「みんな休みだったたから、自分が休んでたのが誤魔化せそう」
どちらの考えもできると思います。
その時々の子ども達の状態によって、どちらの考えになるかはわかりません。
ただ、長期休暇明けをチャンスだと思った時に、うまく登校につながるように、家庭での過ごし方を工夫していただくことはできると思います。
長期休暇中は
- 規則正しい生活をする
- できれば、体験的な活動をしてみる
この2点を意識していただくといいと思います。
規則正しい生活をする
長期休暇に入ると、どうしても生活のリズムが乱れがちです。
夜遅くまでゲームをしたり、動画を見たりして夜更かしをしてしまうことも多くなります。
学校が休みだと、朝起きなければならない理由も部活などがないと、なくなってしまいます。
まして、このコロナ禍の中、長期休暇中の部活動の日数が少なくなっている学校もあると思います。
そうなると、わざわざ朝起きて活動することがないので、つい夜更かしをしやすくなってしまうのです。
一度、生活のリズムが乱れると、元のリズムに戻るまで、乱れた時の倍の時間がかかると言われています。
長期休暇の間だけ、と思っていても、体はいきなりは元のリズムには戻れません。
なので、そのことを子ども達にも伝えて、長期休暇中の過ごし方を自分で考えてもらえるといいのではないでしょうか。
体験的な活動をしてみる
部活動に入っている子ども達だと、長期休暇中の活動は多いと思います。
しかし、部活動に入っておらず、習い事もしていない子ども達は、休みの間代わり映えのない日々を送ることになります。
刺激がない生活を送っていると、いろいろなことを感じる力が鈍くなってしまいます。
なので、無理のない範囲でお出かけをしてみたり、一緒に料理を作ってみたりなどをしていただくのもいいと思います。
中学生にもなると、簡単な調理ならできるようになっている子ども達も多いと思います。
週に1日でもいいので、自分のお昼ご飯を作ってみる、ということをやってみるのもいいのではないでしょうか。
お手伝い的なことに限らずとも、子ども達の趣味に関わるイベントに参加する、そうしたこともいい刺激になると思います。
夏休みの時期には、アニメやゲームなどのイベントも開催されているので、そうしたところに参加するのは抵抗なく受け入れてもらえるかもしれません。
目的のために外出する、ということを自然とできるようにしていくことも、不登校の子ども達に必要なスキルの1つです。

おわりに
今回は、不登校が心配な子ども達にどのように夏休みを過ごしてもらえたらいいかについてお話ししていきました。
特別なことはしなくても、日々の生活を穏やかに過ごしていくことが何よりも大事です。
充実した夏休みを過ごすことにより、心身共にリフレッシュして意欲が湧いてきます。
私のところに相談に来てくれた子の中にも、高校見学やイベントへの参加を通じて、目標を見つけて意欲的になった子がいます。
学校が休みの時期だからこそ、「自分は不登校だから」という思いに捕らわれずに活動できるのです。
そうした時間を有意義に使って、自分の今後につながる何かを見つけられるかを探していただくのもいいのではないでしょうか。
ご家庭の中だけでは、うまくお子さんにアプローチできない、そのような場合もあるかと思います。
そんな時には、ぜひスクールカウンセラーに相談していただいて、一緒にいい夏休みの過ごし方を考えるのも効果的です。
今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでもらえると嬉しいです。