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現役スクールカウンセラーの子育て応援ブログ
スクールカウンセラー

SCにどんなことを相談すればいいのかわからない!!SCへの相談の仕方に悩んだときの対処法

スクールカウンセラーとして勤務している中では、継続して相談を受けているケースばかりではなく

「初めてスクールカウンセラーに相談する」

といったケースが少なくありません。

そうしたケースでは、よく

  • 「こんなことで相談に来ていいのかと悩んでいた」
  • 「相談したかったけど、どんな風に話せばいいのかわからなくて来れなかった」
  • 「他の人がどんな相談をしているのかわからないので、何を相談できるのかわからなかった」

こうしたことをお話してくれる人がいます。

私としては、相談に来てもらえるだけでとても嬉しいのですが、「何をどんな風に…」と悩んでしまう気持ちもよくわかります。

そこで今回は、小・中学校それぞれでどんな相談が多いのかスクールカウンセラーに相談に行く際のヒントとなるポイントについてお話していきます。

スクールカウンセラーにはどんな相談ができるの?

基本的にはどんなことでもお気軽に相談していただいてOKです!

  • 子どもが家で怒ってばかりいる
  • 友達がいるのか心配
  • 給食が食べられるか不安
  • ゲームばかりして宿題をまったくやらない   など

どんな小さなことでも何か困ったことや不安なことがあったら、気軽にご相談に来ていただけると私としてはとても嬉しいです。

「こんなことぐらいで…」と遠慮してしまう方がとても多いです。

しかし、小さな不安をそのままにしておくとだんだんと大きな不安に変わってしまうかもしれません。

なので、こんなこと」から気軽に相談に来ていただけると、早めに対処できて気持ちがとても楽になります。

相談に来てくれる人もママだけ・子どもだけ・ママと子ども・ママとパパ・家族全員で、どんなパターンでも大丈夫です。

その時、相談に行ってみたいと思っている人が来てくれるのが非常に効果的だと思います。

小学校で多い相談内容TOP2

私がこれまでに勤務してきた小学校では、

  1. 発達
  2. 登校渋り(不登校)

この2つの相談内容が特に多かったです。

①発達に関する相談

発達に関する相談では、

  • 家庭内でかんしゃくが激しい
  • 授業中に教室を抜け出してしまう
  • 字がなかなか覚えられない
  • 忘れ物が多くて片付けられない

こうした内容の相談が多かったです。

こうした相談が入ったときには、子どもの授業中の様子を見学後、そのときの様子を基にご家庭でできる対策についてお話しさせてもらっています。

ときには専門機関への相談をご案内させていただくこともありますが、ご家庭の中でできる取り組みについてお話しすることが多いです。

たとえば授業に落ち着いて参加できないとき…
  • 授業に参加できないのはいつも?それとも特定の授業だけ?
  • 45分の授業でどれくらい参加できていない?
  • 授業の内容で参加のしやすさが変わる?

こうしたポイントで様子を観察して、どんな対応ができるのかを考えます。

在籍している学校によっても対応の幅が違うので、その点を踏まえて対応策を考えるのもスクールカウンセラーの仕事です。

たとえば字がなかなか覚えられないとき…
  • ひらがなが覚えられない?それとも漢字?
  • 字を読むことはできている?
  • 板書はノートに書ける?

字がなかなか覚えられないのにも、さまざまな理由が考えられます。

対応策もカルタで遊びながら覚えたり、大きなマス目に薄くお手本を書いてなぞらせたりとさまざまなパターンがあります。

つまずきの原因や理由も十人十色です。

それぞれの子どもに合った対処法を見つけられるように、私自身も日々注意深く授業の様子などを観察しています。

②登校渋り(不登校)の相談

登校渋りの相談では、特に小学校に入学したての1年生のママからの相談が多いです。

学校の雰囲気になかなか馴染めず教室に入りにくくなってしまう子どもが1年生の間はちらほらと出ます。

慣れてくるとみんな楽しそうに学校生活を送ってくれるのですが、慣れるまでがママにとっても子どもにとっても非常に辛い日々になると思います。

特に、保育園や幼稚園でも登園渋りがあった子どもは、小学校でも登校渋りをする可能性が高くなるので、その点も覚えておくといいかもしれません。

慣れるまでの対応策としてママと一緒に登校してもらったり、教室の中に一緒に入ってもらったりとママに協力してもらうこともあります。

それぞれのご家庭に事情があると思いますので、どの程度までなら無理なくできそうかをスクールカウンセラーと一緒に考えられるとよいのではないでしょうか。

また、相談の中で日々の振り返りを一緒にしていきお子さんのでできたを確認していくことによって、達成感へとつなげていけたらいいと思います。

登校渋り場合、どうしてもママに負担が大きくなりやすいです。

なので、スクールカウンセラーに相談して、少しでも負担の軽減につなげていき、ママと子どもが安心できるようにしていただきたいです。

その他の相談

上記の2つの相談が特に多いのですが、それ以外にも

  • 「家に帰ってから宿題もせずにごろごろしている」
  • 「友達ができなくて、一人ぼっちになっている」
  • 「運動会が不安で参加したがらない」

こうしたさまざまな相談があります。

どんな些細なことでも、子どもとママが「不安だな」「心配だな」と思ったら相談にぜひ行ってみてください。

中学校で多い相談内容

中学校で特に多い相談はダントツで不登校の相談です。それ以外にはスマホやゲーム依存、反抗期の対応などさまざまな相談があります。

不登校にはどんな対応がいいの?

もしかしたらこの記事を読んでくれているママの中にも、子どもの不登校についてスクールカウンセラーに相談した方がいるのではないでしょうか。

これまで受けた不登校の相談の中には、

「今は心のエネルギーの充電期間だからお家の中でゆっくりと過ごさせて様子を見ましょう。」

言われて困ったと相談されるケースがとても多かったです。

アドバイス通りに家でゆっくりと過ごさせたら昼夜逆転生活になり、まるで引きこもりのようになってしまったと泣き出してしまったママもいて、様子を見るというアドバイスの無責任さを感じることもありました。

見守ってくださいと言われてしまうと、

「ご家庭でできることは何もありません」

と言われているような感じがしてとても嫌だったと話してくれたママもいました。

それでは、せっかく子どものために少しでも何かしたい…という気持ちで相談に来たのを台無しにされたようなものです。

なので、私のところに相談に来てくれた方には

  1. 学校に行かなくてもいいので規則正しい生活をすること
  2. スマホやゲームをするのもいいが時間を決めてやること
  3. できる限り家庭内では普段通りにお話をすること

この3つのことをご家庭ではひとまず取り組んでもらうようにお願いしています。

①規則正しい生活

学校に行かなくても規則正しい生活をすることにより、子どもが何かに取り組みたいと思ったときにスムーズに動けるようになります。

また、一度昼夜逆転の状態に体が慣れてしまうとそこから元通りにするまでに昼夜逆転になるまでの日数の倍の時間はかかります

そうなると、いざ昼夜逆転を戻そうとしても途中でくじけてしまい、結局はまた昼夜逆転になってしまうという悪循環になってしまいます。

そうならないためにも、規則正しい生活をできるようにご家庭での協力をお願いしています。

子ども自身にも、規則正しい生活を送るメリットを感じてもらえると、前向きな気持ちで取り組んでもらえるかもしれません。

②スマホやゲームの時間の取り決め

不登校の子どもたちは、スマホやゲームで今の自分の不安な状況から身を守っている状態でもあるので、スマホやゲームの時間を決めるのはなかなか受け入れられないかもしれません。

なので、スマホやゲーム以外に意欲的に取り組める活動を一緒に探す必要があります。

これまでの相談では…
  • ジグソーパズル
  • レゴ
  • 料理動画を見ながら、自分で調理
  • デジカメを持って、散歩しながら風景写真を撮影する      など

こうした取り組みをしていると話を聞くことが多かったです。

まるっきり新しいことから始めるのは大変なので、子どもが小学生のときに好きだった遊びや、今ハマっている動画などからヒントを得てやってみるのがおすすめです。

子ども一人で楽しめるものでもいいですし、家族で楽しめるものでもどちらでもいいと思います。

家族で楽しめるだと、一緒にアウトドアなどに出かけたり、家の中でボードゲームをしたりなど、会話を楽しみながら活動できます。

③普段通りの生活

不登校の子どもに対して家庭での対応は、腫れ物に触るかのように扱ったり、逆になぜ行かないのかと怒りをぶつけたりというような雰囲気になりがちです。

そうなると子どもだけでなく、家族全員が非常に息苦しい生活を送ることになります。

特別な対応をするのではなく、できる限り普段通りの生活をして、子どもとどんな些細なことでもいいので普通に会話ができる状態にすることが大切です。

会話も特別な話題でなければならないということではなく、TVを見ながら会話したり、一緒にゲームをしてみたりと本当に些細なことで大丈夫です。

そうすることによって、子どものタイミングで胸の内をお話ししてくれるようになったことが今までの相談の中でも数多く見受けられました。

子どもが話してきてくれた時も、「よし聞き出してやろう」と意気込まなくて大丈夫なので、子どもが話すままにただ聞くことで気持ちもスッキリします。

それ以外の相談ではどんなものがあるの?

中学校では不登校の相談が一番多いですが、そればかりというわけではありません。

反抗期の態度がひどい、学習の意欲が低下しているなどさまざまです。

中学生にもなるとなかなか親の言うことをきかなくなるので対応が難しいと思います。

大事なことは子どもの力を信じているとメッセージを送ることです。

中学生になると、親の力を借りずに自分だけでやっていける、という自立心が芽生えてくるので、ある程度は子どものやり方に任せてみることも時にはいいかもしれません。

では、上記の相談内容を踏まえてスクールカウンセラーに相談に行くときに、押さえておくといいポイントはどんなものがあるでしょうか。

スクールカウンセラーに相談に行く際のポイントは?

私としては、相談に来てくれた際に

  1. 今、何に困っていて相談に来たのか
  2. ご家庭内での子どもの様子
  3. ママから見た子どものいいところ

この3つが特に聞きたい項目です。

①今、何に困っているのか

スクールカウンセラーに相談に行くとなった場合のつながり方は、

  • 個人面談等で先生から相談に行くように勧められる
  • ママが自分で心配になって相談に来る

この2パターンがほとんどだと思います。

後者の場合は具体的な場面があっての相談になると思うので、ママもお話ししやすいのではないでしょうか。

しかし、先生から勧められての相談の場合、ご庭内ではさほど気にならないから何を相談したらいいのかわからない、というママもいるかと思います。

そのときには、先生からどのような話があって相談に来るように言われたのかをお話ししていただけると非常に助かります。

個人面談等で先生から話を聞いたときのママの気持ちやママ自身が悩んでいることなども合わせてお話してもらえるとさらに相談の内容が深まります。

スクールカウンセラーは、ママにどんな風に困っているかをお話ししていただくことによって、学校内での支援の方法や家庭での対応についての方向性を一緒に考えていくことになります。

②家庭内での子どもの様子

ここでは、

  • きょうだいがいるのか祖父母が同居しているのかなどの家族構成
  • お子さんのこれまでの成長過程(成育歴と呼ばれることもあります)
  • 家庭ではどのように過ごしているか

などについてお話していただきたいです。

こうした情報を踏まえて、成長過程での気になったことの有無や学校場面以外の様子を確認していきます。

そうすると今悩んでいる子どもの姿が今」だけの問題ではなく、これまでの積み重ねによっての問題なのかどうかも見えてくることがあります

そうした状況を整理していきながら、今回困っていることの問題点はどこにあるのかを探っていくことが、今の困ったを解決するためには必要になります。

③ママから見た子どものいいところ

相談に来ていただいたママに子どものいいところを聞くとたまに

  • 「すごく手のかかる子でいいところなんて1つもない」
  • 「困っているから相談に来ているのにいいところなんて関係ない」

という言葉が返ってくることがあります。

子どものいいところを考えさせて、今の悩みを考えさせないようにしているんでしょ。

そう思われるかもしれませんが、そういう理由で子どものいいところを聞いているわけではありません。

私が子どものいいところを聞きたい理由は、

ママから見た子どもいいところ=子どもが持っている強み

だと考えているからです。

子どもが持っている強みを生かした支援方法を考えるためにもママから見た子どもの良さを聞かせてほしいです

また、困ったことにばかり捕らわれてしまうとママも子どももしんどくなってしまうので、いいところも含めて全体的な子どもの様子を見られるようする目的もあります。

そうすることによって、ママ自身が子どもを認めてあげられるようになり、対応の仕方にも変化が見られるようになったことがこれまでの相談の中でも多々ありました。

おわりに

今回は小・中学校それぞれでどんな相談が多いのかやスクールカウンセラーに相談に行く際のヒントとなるポイントについてお話していきました。

相談と聞くと、とても深刻な内容のものしかしてはいけないのではないかと思われがちですが、実際にはもっと気軽に活用していただける場でもあります。

スクールカウンセラーへの相談は、一般のカウンセリングとは異なり無料で受けられるものなので、まずはお試しに…ぐらいの気軽さでもっと活用してもらえたらなと常々感じています。

今回の記事が相談に行こうか悩んでいるという方の背中を押すきっかけになれば嬉しいです。

今回も読んでいただきありがとうございました。