発達に特性のある子どもの相談でよくあるものの中に、
- 「友達がほしいのに上手につくれない」
- 「うまくコミュニケーションが取れなくて孤立してしまう」
- 「遊びの輪にうまく入れない」
のような相談があります。
そこで今回は、お家でできる友達作りのための練習方法についてお話ししていきます。
友達トラブルにはどんなものがあるの?
小学校低学年ぐらいまではみんなで一緒に遊ぶ機会がとても多いです。
しかし、小学校中学年の3,4年生になってくると男女共に数人のグループで行動するように変化していきます。
発達に特性のある子どもは、そうした変化にうまく対応できず友達との間でトラブルになってしまうことも少なくありません。
よくあるトラブルとしては、
- 自分の話ばかりを友達に一方的にしてしまい、「あの子は人の話を聞かない」と避けられてしまう
- 思ったことをすぐに言葉に出してしまい、友達が嫌な気持ちになってケンカになる
- 勝ち負けのこだわりがあり、ゲームなどで負けそうになると自分勝手にルールを変えようとしてケンカになる
- 友達と約束をしていてもすっかりと忘れてしまい、それを何度も繰り返してしまう
のようなものが挙げられます。

発達に特性のある子どもは、空気の読めなさや不注意、こだわりの強さなどによって友達との付き合いでトラブルが起きやすいのも事実です。
しかし、当事者の子どもの声を聞くと、
- 「みんなといると疲れることもあるけど、一緒に遊びたい」
- 「友達がほしいけど、自分でもわからない間に嫌われてしまう」
- 「コミュニケーションがうまくとれなくて、一人になってしまうのが嫌」
のような話も出てきます。
子ども達自身も友達の作り方に自信が持てず、もやもやした気持ちを抱えていることが相談の中でも出てくることが多いです。

では、こうした友達作りの困ったに対して、ご家庭ではどのようなフォローができるのでしょうか。
家庭でできる、友達作りの練習方法
友達との間にトラブルが頻繁に起こってしまうと、
- 「友達なんていなくても困らない」
- 「どうせ友達なんて作れないからやるだけ無駄」
のような考え方に陥りがちです。
しかし、友達を作ることを諦めてしまうと、友達との間でどのようにコミュニケーションを取ったらいいのかを学ぶ機会もなくなってしまいます。
そうならないためにも、ご家庭では
- 会話でのコミュニケーション
- 困った時にSOSを発信する
- いろいろなルールを理解する
の3つのポイントを意識して練習していただくのがいいと思います。
①会話でのコミュニケーションの練習
発達に特性のある子どもは会話の中で、
- 声が大きすぎる
- 思ったことをそのまま言ってしまう
- 空気を読まずに発言する
- 暴言を言ってしまう
のような課題を抱えていることがとても多いです。
なので、ご家庭では
- 話し方を見直す(声の大きさ・話すタイミング)
- どんな話をすればいいのか一緒に考える
- 一方的に話していないか確認する
の3つを意識していただくといいのではないでしょうか。
子どもにも上記の3つを意識してもらうことで、少しずつ会話でのコミュニケーションの苦手さを減らせるようにもなってくるのではないでしょうか。

②困った時にSOSを発信する練習
練習を重ねても一人ですべてを解決できるようになることはとても難しいです。
また特性のある子どもは苦手なことも自覚がなかったり、頑張ればできると思っていたりして一人で抱え込んでしまうことも多いです。
そうすると子ども自身も気づかない間に無理を重ねてしまい、とても疲れ果ててエネルギーがなくなってしまう危険性が高くなります。
そうならないためにも、
- 一緒に苦手なことを確認する
- 家庭でSOSを出す練習をする
- 友達や先生にSOSを出してみる
- 助けてもらったら「ありがとう」を言えるようにする
のような練習をしていただくのがいいと思います。
苦手なこと以外にも得意なことも確認して、友達を助けてあげられるものはないかを考えてみるのも子どもの自信につながっていくのでおすすめです。

③いろいろなルールを確認する
社会の中にはさまざまなルールがあり、意識せずともそのルールを守って生活している人が多いのではないでしょうか。
しかし、特性のある子どもはそうしたルールを理解する力が弱く、ルールを破っているように見られてしまうことがよくあります。
なので、
- 遊びのルール
- 学校のルール
- 社会のルール
それぞれにわけて子どもに説明することが大切です。
ママ達からすると当たり前のように感じるルールでも、子ども達からすると理解が難しいものもあるので些細なことでも説明していくのが安心です。
説明が難しいと感じたら、
のような本を使って子どもに説明するのもおすすめです。
おわりに
今回は家庭でできる友達作りの練習方法についてお話ししていきました。
子どもそれぞれに合ったやり方があるとは思いますが、目安として今回お話しした内容を参考にしていただくのがいいと思います。








