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スクールカウンセラー

夏休み明けに子どもが不登校!?フリースクールや適応指導教室に行った方がいいの?

夏休みが明けて、少しずつ学校の授業も以前同様のペースで始まってきた学校も多いのではないでしょうか。

そんな中、夏休み明けに増える相談はやはり不登校の相談です。

そうした相談の中で、ママ達からは

  • 「学校が嫌だと言っているので、学校以外の場所で行けるところはありませんか?」
  • 「不登校になったら、フリースクールとかに行かせた方がいいのでしょうか?」

といった質問をされることも少なくありません。

そこで今回は、夏休み明けに不登校になってしまった子どもは適応指導教室やフリースクールに行った方がいいのかについてお話ししていきます。

 

適応指導教室ってどんなところ?

適応指導教室と聞いてピンとくるママはあまり多くないと思います。

以前、このブログでも適応指導教室についてまとめたものがあるので、そちらもぜひ読んでみてください。

適応指導教室とは、市区町村などの自治体が地域の不登校の子ども達のために運営している、フリースクールのような場所のことを言います。

地域によって、運営状況はさまざまですが私が勤務している地域の適応指導教室では、

  • 週に1日、個別に支援員の人と活動
  • 週に2日、同年代の子6人組ぐらいのグループで活動
  • 週に2日、同性の子15人組ぐらいのグループで活動
  • 週に5日、少人数のグループで活動

このような形で活動を行っています。

活動内容

活動内容は場所によってさまざまですが、基本的には

  • 制作
  • 軽運動
  • 学習

といった活動をしているところが多いと思います。

アクアビーズやプラ板などを使っての制作活動や風船バレーや卓球などの軽運動、自習スタイルでの学習などさまざまな活動をしています。

夏休みなどの長期休暇期間には、遠足や宿泊学習などの行事を取り入れているところもあり、学校とは違った体験ができる場所としても魅力的です。

子ども自身が、無理なく参加できる活動内容かどうかを踏まえて、参加する活動を選べることも適応指導教室のメリットでもあります。

適応指導教室の申し込み

適応指導教室に通いたいと思っても、どこに申し込んだらいいのかわからず困っているご家庭もあるのではないでしょうか。

基本的には、通っている学校を通して適応指導教室に申し込んでいただくのが正規のやり方です。

学校との関係があまり良くない、といった事情がある際にはお住まいの地域の教育相談センターや教育委員会に相談していただくと、申込の方法を一緒に考えてくれます。

適応指導教室の申し込み方
  • 学校との関係が良好の場合:学校を通じての申し込み
  • 学校との関係が不良の場合:地域の教育センターか教育委員会を通じての申し込み

適応指導教室での面談

申し込み後、すぐに適応指導教室の利用ができるのかというと実際にはそうではありません。

適応指導教室の見学と支援員との面談を経て、本当に子どもにとって適応指導教室の利用が最善かを考えた上での利用決定になります。

適応指導教室は、地域によって場所はさまざまですが私が勤務している地域だと、

  • マンションやビルの一室
  • 学校の空き教室
  • 廃校になった学校の校舎を再利用

などを使って開設しています。

なので、実際に見学に行っていただいて

「イメージと違ったから通いたくない」

とならないようにする必要があります。

また、面談を通して子ども自身の希望などをお話ししていくことにより、子どもに本当に必要な支援が得られると思います。

適応指導教室の面談で話すポイント
  • 子どもの生活状況
  • 学校に行けなくなったきっかけ(あれば)
  • 適応指導教室でどんなことをしたいか
  • 通う頻度はどのぐらいがいいか
  • やってほしくないこと、やってほしいことはあるか

 

フリースクールってどんなところ?

フリースクールについても、このブログでも以前まとめてみたのでそちらもご参照ください。

適応指導教室は、市区町村などの自治体が運営していると上記でお話ししました。

フリースクールはそんな適応指導教室とは異なり、NPO法人や任意団体等の民間によって運営されています。

自治体によっては、フリースクールと連携して不登校支援事業を行っているところもあります。

自治体と連携しているフリースクールだと、学校との連携を図る際にも非常にスムーズなので気になるフリースクールがあったら、自治体や学校との連携がどのようになっているかを確認してみるのもいいと思います。

ネットでの検索の際に「○○県 不登校支援事業」と検索していただくと、お住まいの地域の不登校支援事業に関する情報が見つかりやすいです。

活動内容

フリースクールの活動内容は、場所によってやっていることはさまざまです。

  • 適応指導教室のような制作や軽運動、学習
  • 自然の中での体験活動
  • 学校のようなカリキュラムの中での授業

このようにフリースクールそれぞれに特色があります。

フリースクールの中には、曜日ごとに活動内容を分けているところもあるので、子ども自身が興味のある活動の曜日にだけ参加するということも可能です。

気になるフリースクールがあったら、ぜひ見学や体験をしてみてどんな活動があるのかを調べてみるのがいいのではないでしょうか。

フリースクールの申し込み方法

フリースクールの申し込み方法は、適応指導教室の時とは異なり学校を通さずにフリースクールに直接申し込みます。

見学や体験を経て、子ども自身が通ってみたいという気持ちが高まった時に申し込みをフリースクールにしていただけば大丈夫です。

その際に、学校にも

「○○にあるフリースクールに通うことに決めたので、申し込みをします」

と連絡をいただけると、その後の連携もスムーズにできます。

フリースクールに通う際の注意点

フリースクールは、一般的な学校とは異なりゆとりのあるスケジュールや個人に合わせたカリキュラムなど、魅力的な活動内容を取り入れているところも多いです。

しかし、適応指導教室のような公的な施設ではなく、民間の施設でもあるため利用する際には利用料が発生します。

値段も私が知っている限りでは、

  • 1回利用するごとに100円
  • 月1000円
  • 入学金10万円、その他諸経費

このようにさまざまな料金体系がありました。

活動内容と利用料が見合っているか、経済的に無理なく通わせることができそうか、といったことを吟味したうえでフリースクールの利用を決定していただく必要があります。

不登校になったらフリースクールに通わせた方がいいの?

普段の面談の中では、不登校になった際の居場所について上記のような適応指導教室やフリースクールについてお話しすることがとても多いです。

そうした話をしていく中で、ママ達からは

  • 「フリースクールに通わせた方がいいのでしょうか」
  • 「フリースクールに行かせたいけど、子どもをどんな風に誘ったらいいでしょうか」

このような質問をされることも少なくありません。

適応指導教室やフリースクールに通わせた方がいいのか、という質問に対しては

「必ずしも通わなければならない場所ではなく、子どもの居場所の選択肢の一つとしてほしい」

と答えています。

学校のように「行かなければならない場所」と子どもが感じてしまうと、途端に魅力が激減してしまう危険性があります。

なので、家の中だけでは活動が物足りなくなった際の居場所の一つとして考えていただくといいと思います。

また、子どもの誘い方に関しては、エネルギーが溜まってきた様子を見てから

「あなたが興味がありそうな活動をしている場所があるから一緒に行ってみない」

と誘っていただくのをおすすめしています。

中学生など進路のことで焦っている子どももいるので、そうした子どもに対しては

「高校に行くための準備として、少しずつ活動できる場所に行ってみない」

このような誘い方も効果的でした。

  • 適応指導教室やフリースクールは必ずしも行かなければならない場所ではない!
  • 子ども自身が安心して活動できる居場所の一つとして、選択肢に入れることが大切!

おわりに

今回は、夏休み明けに増えた不登校の子どもは適応指導教室やフリースクールに行った方がいいのかについておはなししていきました。

不登校の初期段階では、まだ学校に復帰することを前提に考えていることがほとんどだと思います。

中には、夏休み中に自分の中で考えを深めて、学校以外の選択肢を選びたいという子どももいます。

子ども達それぞれ考え方や環境が異なります。

そうした中ですべての子どもに当てはまる支援を行っていくことはとても難しいことです。

さまざまなやり方を試していく中で、その子に合ったやり方が見つかっていくというのが今までの相談の中でも多かったです。

もし、ご家庭の中だけで考えるのが辛くなってきたということがありましたら、お近くのスクールカウンセラーに相談していただくのもいいのではないでしょうか。

今回も読んでいただきありがとうございました。