新年度が始まって1週間が経ちました。
給食も開始し、学校生活が通常運営になってきたことにより、子ども達の新年度のそわそわした様子が和らいだように感じます。
このような時期に増えてくるのが、小学校新1年生の登校渋りの相談です。
- 「ママと一緒じゃないと登校してくれない」
- 「教室でもママと一緒に過ごしてほしがる」
- 「学校が嫌でしくしくと泣いてしまう」
こんな話がよく出てきます。
そこで今回は、小学校新1年生の登校渋りについてお話ししていきます。
新1年生が登校を渋る理由は?
今まで相談を受けてきた中で、よく出てきた子ども達が登校を渋る理由は
- ママと離れたくない
- 給食が全部食べられないかもしれないから不安
- 勉強するのが嫌
- 小学校の先生が怖い
このようなものがあります。
ママと離れたくない
この理由が相談の中でも特に多いです。
新しい環境に不安を感じた子どもが、安心できるママの存在を求めることはとても自然なことです。
そうしたママと離れることへの不安の根底にあるのは、
学校という場所に行くことによって、
そうした不安から「学校に行きたくない」

給食への不安
小学校では、給食の配膳から食べるまでの時間が短くなりがちです。
一年生の最初の頃は、
給食の献立も、家庭で出てくるようなメニューばかりではなく、
それ以外にも学校給食では、必ず牛乳がセットで出されるため、牛乳が苦手な子からすると飲むのがとても大変なことだと思います。
そうした制限時間や食べなれないメニューが子どもにとって負担と

勉強が嫌
小学校と幼稚園や保育園との一番の違いは何といっても、一日を通して学習の時間をメインとしているところではないでしょうか。
1年生では、生活や図工、体育、音楽などいわゆる座学以外の授業も多いですが、それでも算数や国語などの学習は毎日あります。
そうした中で、漢字がなかなか覚えられない、数の概念が定着しにくいといった理由から勉強への抵抗を示す子も少なくありません。
1年生で学習への苦手意識を持ってしまうと、その後の学校生活もとても苦痛を感じやすくなってしまう要因になってしまいます。

先生が怖い
この理由で学校が嫌になってしまう子は、実は結構多いものです。
30人前後の子ども達を一人の先生が指導する小学校のスタイルでは、どうしてもビシッと指導せざるを得ない場面が出てきます。
そうした先生の指導の様子が、幼稚園や保育園の時の先生の姿とのギャップにつながり、先生への恐怖心につながってしまうことも少なくありません。
ママ達からすると「小学校はそういう場所」という考えもあってか、先生が怖いことは当たり前と子どもの不安を聞き流してしまったという話もよく聞きました。
それ以外にも、小学校に入って初めて男性の先生が担任となって、怖い気持ちが出てきたというパターンもあります。

では、こうした不安を訴えて学校に行きたがらない子にどのように対応すればいいのでしょうか。
新1年生の登校渋りの対処法
上記のそれぞれの不安にどう対処していくかをそれぞれお話ししていきます。
ママと離れたくない時
ママと離れるのが不安という子どもの場合、おおむね2つの方法で経過を見ていきます。
- しばらくママも一緒に教室で過ごしてもらう
- ママを身近に感じられるようなお守りを作る
①ママも一緒に教室で過ごしてもらう
この方法は、ママのお仕事の都合や学校の受け入れ状況によっても実現できるかどうかが変わります。
この方法では、スモールステップで少しずつ段階を踏みながら、子どもが一人で学校で過ごすのも大丈夫と思えるように手助けしていきます。
よくある段階としては、
- ママと一緒に登校して、教室で一緒に授業を受ける
- ママと一緒に登校して、ママは廊下で授業の様子を見守る
- ママと一緒に登校して、ママは別の教室で待機する
- 登下校のみママと一緒にして、授業は一人で教室に入る
- 登下校を友達として、ママとは家でたくさん甘える
このようなものがあります。
必ずしもこの段階で進むというわけではなく、子どもそれぞれの状態に応じて臨機応変に対応していきます。

②お守り作り
この方法がママと離れたくない子どもへの支援として一番よく使うものです。
ママと離れることへの不安が強い子どもにとって、ママの存在を身近に感じられるお守りがあるととても心強く感じます。
子どもとも相談しながらになりますが、今まで作ってもらったお守りは
- 家族写真をランドセルのポケットに入れる
- 筆箱の蓋の裏にママと取ったプリクラを貼る
- ママが普段使っているハンカチを貸してもらう
- ママと一緒にお絵かきしたカードを筆箱に入れる
このようなものがありました。
特に、ママの写真やママのハンカチのようなものだと、ママの存在を身近に感じられるようで選ぶ子どもも多かったです。

給食が不安な時
給食への不安は、時間とメニューで対応の仕方が変わります。
- 自分が20分で食べきれる量を把握する
- 家でも20分で食べる練習をする
- 全部食べられないかもしれないと思った時は、減らしてもらうようお願いする
- 献立表を見ながら不安なメニューをチェックする
- 食材と味付けどちらが不安になるのかを確認する
- 家で不安なメニューを食べる練習をする
- どうしても難しければ、不安なメニューの時は量を減らしてもらうようお願いする
それぞれこうした対応の仕方があります。
上記のもの以外にも、子どもから話を聞いて何ができるかを一緒に考えることもよくあります。

勉強が嫌な時
新1年生にとって慣れない勉強が苦痛になってしまうことはとても自然なことです。
少しずつやっていくうちに理解できるようになって楽しくなってくればいいのですが、中にはなかなか理解できなくて苦しくなってしまう子もいます。
勉強への拒否感が出てきてしまうと、手助けしたくても難しくなってしまうかもしれません。
なので、1年生の間は遊びながら学ぶという点を意識した働きかけが大切になっていきます。
このようなカルタを使ってひらがなの形を覚えられるように工夫したり、おやつの時間にお菓子の個数を一緒に確認するなどして数の概念に触れさせたりすることが抵抗なくできておすすめです。
足し算引き算は具体物があるとやりやすくなるので、実際に家にあるお菓子や果物などを使って一緒にやってみるのもわかりやすくていいかもしれません。

先生が怖い時
自分が怒られているわけではないけれど、他の子がいたずらをして怒られている姿を見て怖くなってしまった、という話をよく聞きます。
守らなければならないルールややらなければならないことが小学校に入ると格段に増えます。
そうした規律を守るように指導する先生の姿を怖く感じてしまう子も少なくありません。
子どもが先生への恐怖心を訴えてきたら、まずはそのままの言葉で受け止めていただくことをおすすめします。
ママが否定せずに話を聞いてくれるだけで、落ち着く子どもはとても多いです。
それでもなかなか落ち着かない子には、
- 怖い以外の先生の姿はあるか
- どんな風になったら怖くなくなりそうか
- 学校の中で楽しいと感じる時間はあるか
といった点を話していただくといいと思います。
こうした子どもとの話の中で、担任の先生にも協力してもらえた方がいいこともあるかもしれません。
そうした時には、先生に対する否定的な話はなるべく伝えずに、どんなことを協力してもらいたいかを具体的に話していただくと協力が得られやすいです。
どんな風に伝えたらいいのか悩んでしまう、ということがありましたら学校のスクールカウンセラーに相談するのもおすすめです。

おわりに
今回は、小学校新1年生の登校渋りについてお話ししていきました。
GWが明けるこの時期になってくると、学校への抵抗感を示す子どもがとても増えます。
休みが明ける前に、学校への前向きなイメージができるようにご家庭では働きかけをしていただくのも低学年のうちには有効です。
環境の変化に弱い子どもには、外出のタイミングで学校の前を通るようにするなどして学校へのイメージを深めるのもいいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。








