「ほめる子育て」が子育て界隈で、よく見聞きされるようになってきたと思います。
私のところに相談に来るママからも、
「ほめる子育てって実際どうなんですか?」
と、聞かれることも時々あります。
そんな、ほめる子育てについて今回はお話ししていきたいと思います。
Contents
ほめること=叱らないではない
相談の中で、
「ほめて育てなければいけないから、叱ったらダメなんですよね」
と、お話しされるママが時々います。
ほめる子育ては決して叱らない子育てではなく、ほめるところと叱るところのメリハリをつけることが大事です。
中には、「叱る」と「怒る」を一緒に考えているママもいるので、もしかしたらそこが誤解につながっているのかもしれません。
「叱る」と「怒る」の違いは?
「叱る」と「怒る」どちらも同じことのように感じるかもしれません。
でも、実際には似ているようで違います。
私が、ママたちに説明するときに使う言葉は
「間違っていることを正しく導くのが叱ること」
「感情のままに間違いを指摘するのが怒ること」
と、説明することが多いです。
たとえば、お子さんがノートに汚い字で漢字練習をしていたとします。
その時に、
- 「この字だと先生が読みにくいだろうから、こういう字を書くといいよ」
- 「こんな汚い字で宿題やっても意味ないでしょ」
のような、注意の言葉が出てくるのではないでしょうか。
①の言葉は叱っている状態、②の言葉は怒っている状態になります。
どちらも汚い字で書いていることを指摘しています。
しかし、①の言葉ではどうすればいいのか方向性を示しているけれど、②の言葉ではただ間違いを指摘するだけで、どうすればいいのかわかりません。
ポイントとしては、
ダメなところの指摘で終わらず、「こうするといいね」という方向性も伝える
ということです。
ほめるとどんないいことがあるの?
実際に、ほめるのはお子さんにとってもいいことなのだろうな、というのはママたちにとってもわかりやすいと思います。
しかし、ほめることによってどんないいことがあるのかは、わかりにくいと思います。
ほめられて育ったお子さんは、
- 自己肯定感が高くなる
- 前向きに物事に取り組むようになる
のような、いい面が育ちやすくなります。
自己肯定感の向上
頑張って取り組んで、うまくできたときに誰かにほめてもらうってすごく嬉しいことだと思います。
それが、大好きなママたちからだと、嬉しさも倍増するのではないでしょうか。
そうして、お子さん自身が「認めてもらえた」という気持ちが積み重なっていくことによって、「自分っていいな」というような自己肯定感へとつながっていきます。
前向きな姿勢
自分に自信がない状態だと、新しいことにチャレンジしようという気持ちはなかなか出てきません。
しかし、自己肯定感が高まってくると、もっと新しいことに取り組みたくなってきます。
その時に大事なことは、失敗しても成功しても「チャレンジしたこと」を、ママたちにはほめてもらいたいです。
どうしても、成功した時ばかりほめたくなってしまいますが、失敗しても「チャレンジした」という、頑張りがあるのでそこも認めてもらえたら嬉しいです。
では、どんなほめ方が効果的なのでしょうか。
効果的なほめ方ってどんなもの?
効果的なほめ方のポイントは
- 具体的なポイントを挙げてほめる
- 結果だけでなく、過程も見てほめる
- 誰かと比較ではなく、過去の状態と比較してほめる
の3点です。
①具体的なポイントを挙げる
「すごいね」や「上手だね」という風に、ほめることが効果がないというわけではありません。
しかし、そこに「この絵の色使いがすごいね」や「さっきのシュート上手だったね」のように、具体的な場面を付け足すと、より一層お子さんにとって「ちゃんと見てもらえた」という気持ちが高まります。
なかなか、具体的なポイントが見つからない場合もあるかもしれません。
そんな時には、お子さんに「どんなところを頑張ったか教えて」と聞いてみるのもおすすめです。
そこで答えてくれたポイントに沿って、ママたちからほめるのも効果的だと思います。
②結果だけでなく、過程も見る
前向きな姿勢が出てくるという話をしたところでもお話ししましたが、お子さん自身が何かを取り組んでいる過程の中にも、ほめるポイントが隠れていると思います。
「一生懸命練習してきたね」や「毎日コツコツとやってきたのはすごい」など、結果だけでなくお子さんの頑張りの過程もほめていただくと、今までの自分の頑張りを認めてもらえたという嬉しい気持ちが出てくるはずです。
日々のお子さんの頑張っている姿を間近で見ているママたちだからこそ、言える言葉がたくさんあると思います。
なので、そうしたことをぜひ、お子さんにも伝えてみてください。
③他人ではなく、過去の自分と比較する
お子さんをほめる時、つい「○○君よりも上手」や「△△ちゃんよりもできたね」というほめ方をしてしまう時もあると思います。
でも、そうしたほめ方をすると、比べられた相手をお子さん自身が見下してしまう危険性が出てきてしまいます。
なので、比較してほめるのであれば、
「前はここができなかったのに、今は上手にできるようになったね」
のように、以前のお子さんの状態と比較してほめていただくのがいいのではないでしょうか。
そうすることで、お子さん自身が自分のことを客観的に見られるようになり、よりいい状態になれるように頑張りやすくなると思います。

おわりに
今回は、ほめる子育てについてお話ししていきました。
なによりも大事なことは、ほめることと叱ることのメリハリを付けることだと、私は思います。
ほめ過ぎ、叱り過ぎなど、どちらかに偏った対応ではなく、どちらも満遍なくできた方がお子さんの成長にとってもいいのではないでしょうか。
時々、自分がどちらかに偏ってないかな、と振り返ってみるのもいいと思います。
もし、お子さんのことをほめてあげたいんだけれど、自分だけではいいところが見つからない、ということがありましたら、ぜひ相談に来ていただけると嬉しいです。
ママ自身がいいところだと思っていなかったところが、意外とお子さんのいいところにつながっている可能性もあるので、そうしたところを一緒に探していきたいです。
今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでもらえると嬉しいです。








