初めまして。現役スクールカウンセラーのまるです。
普段、私は公立の小中学校でスクールカウンセラーとして勤務しています。
スクールカウンセラーと聞いて皆さんどんなイメージを持たれますか?
なんとなくですが、
- なんだか小難しいことを言ってきて、子育てのダメ出しをされそう
- うちの子のことを発達障害とか、決めつけてくるのではないか心配
- 気にはなるけど、相談に行くのは何だか敷居が高そう
このようなイメージを持たれているママも多いのではないでしょうか。
スクールカウンセラーという職業が、まだまだ身近なものとは言えないからこそ、このようなイメージにつながってしまうのだと思います。
なので、今回はスクールカウンセラーはどんな人で、どんなことをしているのかをお話ししていきます。
Contents
スクールカウンセラーってどんな人?
スクールカウンセラーとは小学校、中学校、高校に配置される心理の専門職(心理職)のことを言います。
「School Counselor=SC」や「Counselor=Co」と略されたりもします。
もしかしたら、皆さんの学校の学校便りにSCやCoの表記があるかもしれません。
そんなスクールカウンセラーの主な仕事内容としては、保護者や子どものカウンセリング、先生たちへのコンサルテーションがあります。
それ以外にも、児童相談所等の関係機関とのケース会議に参加したり、先生たちに研修を行ったりと仕事の内容は多岐にわたります。
スクールカウンセラーは自治体によって必須資格はさまざまな条件がありますが、ほとんどが臨床心理士か公認心理師の資格を持っています。
実際、私も臨床心理士と公認心理師の資格を持っています。
でも、それぞれの資格に何か違いがあるのって、疑問に思うママもいるのではないでしょうか。
なので、2つの資格について少しだけお話ししていきます。

臨床心理士ってどんな資格
臨床心理士は、みなさんが知っている心理の仕事をしている人が持っている資格として、広く知られているものだと思います。
臨床心理士は民間資格ではありますが、これまで心理職の必須資格として設定されてきました。
臨床心理士の受験資格を得るためには大学を卒業後に大学院に進学し、修士課程を修了しなければなりません。
大学院も臨床心理士の受験資格が得られる指定大学院というものがあり、どこの大学院でもいいというわけではありません。
指定された大学院に進学し、専門的な講義や実習等の実践を重ねてようやく受験資格が得られます。
大学院を修了後に受験資格が得た後に資格試験を受け、そこで合格して初めて臨床心理士として世に出ることができます。ここまでの道のりは最短でも6年はかかり決して短いものではありません。

私自身も、大学院時代に療育施設で実習をしたり、大学院の構内にある相談センターで相談実習を行ったり、さまざまな実習に取り組んできました。
また、この資格は5年ごとの更新していかねばならず、各自で研修を受けるなどして日々研鑽積んでいく必要があります。
こうした高い専門性を持つ心理職の資格として臨床心理士というものがあり、今までの心理職を下支えしてきた資格でもあります。
しかし、民間資格であるがゆえに制限も多かったので、活躍の場をより広げるために心理職の国家資格化への流れを汲んで次の公認心理師という資格ができました。

公認心理師ってどんな資格
公認心理師は心理職を国家資格として認定できるように2017年に誕生しました。
国家資格として認定されることにより、これまで医療や福祉などさまざまな分野の職業の人と連携する機会があった中で、心理職だけ民間資格というアンバランスな状態が解消されることになりました。
私のところに相談に来てくれたママの中には、どんな資格を持っているのか不安に感じている人も少なからずいました。
なので、国家資格であるということでカウンセリング等を受けに来てくれる人にとっても、信頼感や安心感につながるのではないでしょうか。
公認心理師は、2022年までは移行期間ということで、受験資格にもさまざまなルートがあります。移行期間終了後は大学や大学院で指定された科目を履修したり、実務経験が必要になったりと非常に専門性の高い資格になります。
まだ、国家資格として日が浅いので、運用状態も手探りなところが多いですが、少しずつみなさんに浸透していってほしいな、と私は思っています。
こうした資格を持ったカウンセラーが、学校に配置されて心の支援を行っています。

臨床心理士は民間資格
公認心理師は国家資格
どちらも心理の専門家として高い専門性を持っている!
ここまでのお話しで、なんとなくスクールカウンセラーはどんな人なのかがわかってきたと思います。
では、実際にスクールカウンセラーはどんなことをしているのか、という点についても少しだけお話ししていきます。
スクールカウンセラーってどんなことをするの?
最初にも少しだけお話ししましたが、保護者や子どものカウンセリング、先生たちへのコンサルテーションが主な仕事です。
カウンセリングは、なんとなく「困ったことの相談に乗ってくれるんだろうな」とイメージができると思いますが、コンサルテーションと聞いても何のことだかわからないかもしれません。
先生たちへのコンサルテーションとは、
- クラスの中で、困っている子どもへの対応の仕方の工夫について
- 不登校の子どもへの、アプローチ方法の相談
のような、スクールカウンセラーの視点から、先生たちにアドバイスすることをコンサルテーションと呼んでいます。
このようなアドバイスを通して、先生たちとの協力の中で子ども達が楽しく学校生活を送れるような環境を整えていく、ということもスクールカウンセラーの仕事の一つです。

- スクールカウンセラーは、学校の中にいる心の専門家
- 主な業務は、カウンセリングとコンサルテーション
スクールカウンセラーに相談するには、どうすればいいの?
ここまでお話ししてきて、ママたちの中には一度スクールカウンセラーのところに相談に行ってみたいな、という気持ちになってくれた方もいるかもしれません。
でも、スクールカウンセラーに相談するにはどうすればいいのか、悩んでしまうと思います。
学校によって申込方法はさまざまかもしれませんが、私が受け持つ学校では、
- 毎月発行される学校便りで、スクールカウンセラーの訪問日を確認する
- 訪問日の中からママたちの都合に合わせて、担任か窓口の先生に予約希望の連絡をする
の2段階を経て相談予約へとつながります。
相談は基本的には学校内で行いますが、ママたちのご希望に合わせて電話や家庭訪問での相談も実施しています。
学校それぞれでやり方が異なる場合もあるので、その点はよくご確認していただくと安心だと思います。

おわりに
今回はスクールカウンセラーについてご紹介しました。
私自身、上記の資格を取得してカウンセラーとして働いていますが、終わりのない勉強を続けているような日々です。
それぞれの相談内容によって支援方法も異なり、似たような相談でもまったく同じ支援方法ができるということはあまりありません。
相談に来てくださったママや子どもたちのために何ができるかを日々考えながらカウンセリングを行っていますが、なかなか結果が出ないこともあります。
それでも、相談に来てくれた人が笑顔になるために私ができることがあれば精一杯頑張っていきます。
次回は普段のカウンセリングの中で、どのような相談があるかを簡単にお話したいと思います。
これからスクールカウンセラーに相談に行こうか悩んでいるママに、一歩を踏み出してもらえるような内容にしていきたいと思いますので、次回も読んでもらえると嬉しいです。







