小学校を訪問した際に、時折
「家ではたくさん話すのに、学校では全然話さない」
「友達に声をかけてもらっても答えられなくて、友達との関係が気になる」
このような相談を受けることがあります。
その中で、ママ達から「もしかしてうちの子は場面緘黙かもしれない」という言葉も出てきます。
そこで、今回は場面緘黙についてお話ししていきます。
場面緘黙ってどんなもの?
- 症状
- 原因
- 治療法
症状
- 話す力はあるのに特定の場面(学校・幼稚園・保育園など)では話せない
- 緊張しやすく、不安感が強い
- 体育の授業などで思うように体が動かせず、ぎこちない動きになってしまう
- 家族以外の人に話しかけられると固まってしまいうまく話せない
このような症状が場面緘黙では少なくとも1か月以上続きます。
子どもが自分で「話さない」と決めているわけではなく、不安や緊張から「話せない」状態になっていることに気づいてあげる
原因
正確な場面緘黙の原因はまだ解明されていません。
ですが、
- 不安を感じやすい
- 緊張しやすい
このような性格に環境などの要因が重なって発症する可能性があります。
環境要因としては、
- 入園・入学
- クラス替え
- 転校
のような環境の変化が発症のきっかけになることが多いです。
親の育て方や本人の性格が場面緘黙発症の原因ではない!
治療法
場面緘黙の治療法は主に下記の3つです。
プレイセラピー | 言葉に頼らない表現を通していく中で、不安感や緊張を和らげていく |
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認知行動療法 | 自分が不安になりやすい状況を整理して、どういう対処をすれば その不安を減らせることができるかを考えていく |
薬物療法 | 不安感や緊張を減らすために用いられる
→場面緘黙の症状自体の改善に直接的につながるわけではない |
場面緘黙は、専門家に相談し適切な治療につなげることが改善の第一歩!

場面緘黙の理解を深める
場面緘黙は家庭ではおしゃべり上手な場合が多く、どうしてもわざと話さないのではないかと誤解されやすいのが子どもからすると苦しくなってしまう要因につながります。
また、学校などで話せないことにより周囲の無理解からいじめにつながる可能性もあります。
たとえ治療を開始したとしてもすぐに治療の効果が得られるわけではなく、症状の改善までに数年単位で時間がかかるケースも数多くあります。
そのため、子ども自身や家族だけではなく、担任の先生やクラスメイトなど周囲の理解と協力が必要不可欠になってきます。
場面緘黙について理解を深めるためにおすすめの絵本があるので、気になる方は参考にしてみてください。
おわりに
今回は場面緘黙についてお話ししていきました。
場面緘黙は治療が初めてもなかなか効果が表れず、不安な状況が続きやすいため家族を支えてくれる支援者を見つけることが大事なポイントになってきます。
子ども自身も話したいのに話せない、という葛藤から苦しんでいることが多いため、子どもが安心して過ごせる環境設定の重要性が非常に高いです。
なので、安心して一緒に治療できる関係性を築けそうな支援者を見つけられると、子どもだけではなくママ達も安心だと思います。
治療を受けてみたいけど、どんなところがいいのかわからない。
そんな時にはお近くのスクールカウンセラーや教育相談センターに相談してみてください。
今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでもらえると嬉しいです。