小学校に入学後、文字を使っての学習がメインとなり、中には「文字」に難しさを感じる子どもが時々出てきます。
1年生ではひらがながなかなか覚えられない、2年生以降になるとどんどん難しくなる漢字についていけなくなる。
こんな子ども達の姿を見かける時があります。
また、ひらがななどの文字に限らず計算がなかなかできないといった場合もあります。
このような状態の子ども達を見て、ママ達からは
「うちの子ってLD何でしょうか?」
と相談を受けることがあります。
今回は読み書きなどに難しさが見られた時に気になる、LDについてお話ししていきます。
LDってどんなもの?
LDと聞くと、一般的には読み書きの困難さを想像されるママも多いかと思います。
しかし、LDとは基本的には知的発達に遅れは見られないのですが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用が非常に難しい状態のことを指します。
その原因は、脳の神経に何らかの機能障害があるのではないかと言われていますが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるわけではありません。
LDの具体的な特徴はというと、
①聞くことが苦手
・話を正確に聞き取れない
・話を聞き取れるが、話の要点が何かわからない
②話すことが苦手
・質問にたいしてどう答えたらいいかわからず「わからない」と答えてしまう
・「昨日何があった?」などをうまく相手に伝えられない
③読み書きが苦手
・ひらがなや漢字がなかなか覚えられない
・音読で文字を一つ一つ読んでしまうため、内容が頭に入りにくい
④計算が苦手
・九九がなかなか覚えられない
・繰り下がりや繰り上がりの計算を間違えやすい
⑤推論が苦手
・その日の出来事などを時系列に沿って話すのが苦手
・物事をつながりでとらえるのが苦手で、突発的な行動をしているように見える
のようなものがあります。
では、子どもがLDかもしれないと感じた時にどこに相談したらいいのでしょうか。
LDのことはどこに相談すればいいの?
子どもがLDかもしれないとママ達が感じるタイミングはさまざまです。
- 入学後になかなか自分の名前が書けていないように見える
- 漢字テストの出来がどんなに練習させても伸びない
- 学校の個人面談等で先生から気になる点を伝えられた
このような時に「ひょっとして…?」となるのではないでしょうか。
実際に、私のところに相談に来られた方の中にも個人面談で先生から話を聞いて心配になった、という話をよく聞きます。
気になったタイミングで相談に行っていただくのが一番いいとは思いますが、どこに相談に行けばいいのか悩まれるママもいるかと思います。
主な相談先としては、
- 学校のスクールカウンセラー
- 地域の教育相談センター
- 行政の子育て相談窓口
- かかりつけの小児科
- 子どもの発達の専門医
が考えられます。
いきなり病院に行くのは敷居が高く感じられるかもしれないので、まずは学校のスクールカウンセラーや地域の教育相談センター等に相談していただくのがいいのではないでしょうか。
そこで、子どもの状況について相談していく中で、専門機関での相談が必要かどうかも一緒に考えていき、適切な専門機関の案内もしてもらうとその後の流れもスムーズにいくかと思います。
では、相談に行った後は子ども達にどのような支援をしていくのがいいのでしょうか。
LDの支援にはどのようなものがあるの?
LDの診断を受けた場合、学校ではどのような支援が受けられるのか気になるママもいるかと思います。
自治体にもよるかもしれませんが、LDの支援方法として通級指導教室での指導があげられます。
通級指導教室については、以前まとめたものがあるのでそちらを参照してください。
通級指導教室での指導を受けることによって、子どもに合った学習の仕方を提案してもらえたり、教室や家庭内でのフォローの仕方についてもアドバイスが受けられます。
通級指導教室以外にも、最近ではタブレットなどのICT機器を学校によっては一人一台用意しているところもあるので、それらの機器を活用しているところもあります。
板書が難しい子の場合にはタブレットで板書を撮影してそれをノートに貼ったり、文字を書くのがしんどい子の場合にはタブレットでタイピングしたり音声入力をしたりなどの工夫を凝らしています。
学校によって対応の幅が異なることがあるので、まずは先生に相談してみるのもいいのではないでしょうか。

おわりに
今回はLDについてお話ししていきました。
私自身、スクールカウンセラーとして勤務している中でLDの相談を受ける機会が年々増えているように感じます。
それは以前よりもLDの数が増えたというわけではなく、ママ達にLDなどの知識が広まり意識的に子ども達を気にかけてくれているからなのかなと思います。
今までだったら困っている子どもに気づけなかった場面でも、広くLDについて知られていくことによって「もしかしたら?」という捉えができるようになってきました。
LDの子どもは目立つような行動があまりないので、つい見逃されやすくなってしまいます。
あまりにも長い期間気づかれないと子ども達の学習意欲が低下してしまう可能性もあるため、そうなる前の早めの気づきと支援が重要です。
少しでも気になるなということがありましたら、まずは学校のスクールカウンセラーや担任の先生に相談していただくのが子ども達のためにもなります。
子ども達に適切な支援が行き届くように私自身、丁寧に見極めていかなければならないなと考える毎日です。
今回も読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでもらえると嬉しいです。